<171 EP「Life Size Life」リリース記念 東京/京都ワンマンツアー>
7/13(Sat)
171【ONE MAN】
関西を活動拠点としている171が、DaisyBarに初登場したのは2022年の5月。その初登場のライブでも強力なインパクトを残したけれど、それからここDaisyBarでもコンスタントにライブを重ね、着実にオーディエンスを増やして行き、このフロアー賑わせて来た。そして遂にこの日はDaisyBarでのワンマン。今回は、ここDaisyBarと京都GLORYでのワンマンツアーという形で開催。そして、両会場とも見事SOLD OUT。DaisyBarでのチケットは発売開始後、かなり早いタイミングでのSOLD OUTとなった。171への期待、そしてワンマンへの期待がインディーズシーン、ライブハウスシーンで膨れ上がっていた事を証明した。SNS中心にネット上でインプレッションを稼ぐ事が動員や、リスナーの獲得に繋がる事もあるかとは思うけれど、171は、きっちりライブをし、そして音源を届ける事でリスナーを獲得してきた。そして、インディ−ズスピリットで自分達の力でそれを行い、ワンマンをSOLD OUTさせている。そうした事実にロックドリームを感じる。そして、リスナー、オーディエンスも彼等にそんな夢を託し、ロックドリームを共有している様にも思う。そんな期待が膨れ上がったこの日の超満員のDaisyBar。メンバーが登場して一曲目がなった瞬間から、フロアーのその期待も一気に沸点に達し、フロアーが一気に前のめりに。バンドもフロアーもバーストして、そのまま駆け抜けた様なライブ。171の放つGROOVEと爆音にはロックの快楽を感じる。オーディエンスもそこに身を投じて行く。そしてそのポップネスとロック的快楽の中に、狂気も潜むものだという事を、彼等のパフォーマンスを観るとあらためて実感する。それを身体で理解しているバンド。(尾崎亜美さんに関するmcは、彼女からそうしたポップに潜む狂気を読み取ったという様に私は受け取った)。171は、僕の見たピストルズはスマホの中と唄う。我々はロックの伝説に間に合わなかったのではないかと。でも実際は、私達がここにいて演奏して、あなたがたがここにいて、そこで起こっている事はロックンロールで、これが歴史の一つの点なのだということをそのパフォーマンスで証明する。オーディエンスもそれに応える。その点がまた線になって行くんだと確信し、爆音で怒濤のGROOVEを叩きつける。「24HOUR PARTY PEOPLE」というイギリスの映画がある。80年代、イギリスのマンチェスターにあったハシエンダという伝説的なクラブとその周辺ににまつわる物語。その冒頭シーン、70年代ピストルズがマンチェスターで初めてLIVEするが、そこに客が40人程度しかいない。しかしその40人の中からその後の音楽シーンを牽引して行く重要人物(バンドだったり、クラブのオーナーだったり)が現れてくるという話。その時はピストルズも、そこにいた40人のオーディエンスも歴史の中で点でしかなくその時点で(ロックの歴史的には)重要ではなかったかもしれない。けれど、それぞれが生きて行く事によって線になり歴史になってゆき、そのライブが伝説の一夜となって行く。この日の171のワンマンの日はまさに、伝説の一夜と言っても過言ではないと思う。そして、この日を伝説にして行くのはこれからの171であり、この体験を持ち帰ったオーディエンスである。まさにロックンロールな一夜だった。(加)