LIVE REPORT

<The Doggy Paddle presents
“Hound A Round 5
『Kinema Rock’n’Roll Release Party』”>

2/11(Sun)

The Doggy Paddle / Large House Satisfaction / Walkings

The Doggy Paddle。DaisyBarでも2016年にワンマンを行ったり、昨年末、年越しカウントダウンを担ってもらったり、イベントなども何度となく開催したりと、精力的な活動を続ける彼等。まさに日本のロックンロールの血を受け継いで来たと言っても過言でない4ピースのロックンロールバンド。そうしたロックンロールバンドではあるけれど、これまでの自主企画では、ロックンロールだけに括らず、リアルタイムで日本のインディーシーンを眺め、身を置きながら、様々なジャンルのバンドを招き、リスナー目線でも楽しめるイベントを演出。そうした企画力も高く、その中で彼等のパフォーマンスや、存在感も上げて来た。そうした彼等も、キャリアを積み重ねつつ、いよいよ1st Full Album全国リリース。と、言う事でそのレコ発ライブ。そこに招いたのは、Walkings、Large House Satisfactionの2組。どちらも今のインディーシーンで群を抜いたライブパフォーマンスを見せるロックンロールバンド。そこにThe Doggy Paddleと言う事で、もうどこを切ってもロックンロール。もうこうした期待膨らむワクワクするような企画を組む力も流石。と、いう事でまずはWalkings。昨年のサウスバイサウス出演からの、アメリカツアー、更にはアジアにも積極的に出向いたり、3ピースのシンプルな編成でロックンロールとブルーズを携えて、世界を渡り歩く彼等。最初から、そうした大陸感満載なディープなブルーズサウンドとGrooveを炸裂。と言っても泥くささだけで無く、洗練されたスター感もあり、シンプルにカッコイイ。お客さんの層も幅広く、様々な角度でその魅力を発揮している事が分かる。後半戦もファンキー且つサイケデリックで規格外なサウンドでフロアーを圧倒させステージを後にした。そして二番手は、Large House Satisfaction。DaisyBarでは、1月の4時間に渡るライブも記憶に新しい彼等。この日もボリューム満点のバンドサウンドと、そのサウンドを突き抜けて響く要司のボーカルと、何度観ても、強いなー、と思わせるパフォーマンスは健在。The Doggy Paddleの新作の発売を祝いつつ、自分達も止まらずロックンロールして行く事を言った様なMCは印象的だった。そして昨年リリースした新作からの楽曲でもクライマックスを作りだし、更に強度を増しているのを実感。そうした新曲も折り込みながらの後半の畳みかけも流石だった。そして、こうした強力なパフォーマンスを受けて、トリはThe Doggy Paddle。日本のロックンロールの血を受け継ぐと書いたけれど、その中でも特に90年以降の日本のロックンロールからの影響を強く感じさせる。更にそうしたロックンロールの王道のなかに、日本独特の70年代80年代の歌謡曲的メロディーもあったり、まさに日本のロックンロールバンドであり、自分達もそれをきっちり引き受けているのだと感じた。ボーカル恵守のMCでは、支離滅裂だけれど、一度ギターを掻き鳴らし、歌い出すと抑制が利かなくなるような爆走ぶりも相変わらずで、観ているこちらも熱くなる。そしてメンバーそれぞれ4人のGrooveが重なった時の彼等の怒濤のパフォーマンスは、ここ1、2年の間で凄みを増している。Walkings、Large House Satisfactionと、これまた強力なライブパフォーマンスを見せた2バンドのライブを受けてのライブだったり、CDを発売して直後という事で、いろいろと力む部分もあったか、少しエンジンが入るのは遅かった様にも感じたけれど、そうした彼等のロックンロールを見事に叩きつけた。このフルアルバムが、昨年から時間をかけて作られたと言う事もあって、既にライブでの定番曲も多数ではあったけれど、その中でも彼等の更なる新境地をも垣間見させるライブだった。できればその新境地に寄せた彼等も観たかったけれど、それは、またツアーから帰ってきてからの楽しみに取っておくことに。世界的に見たら、チャートでロックンロールバンドの名前を見つけるのも難しくなってきている昨今ではあるけれど、こうし たカッコ良いロックンロールバンドが3組揃い、そこに多くのお客さんが詰めかけて来てくれるという状況もある訳で、The Doggy Paddleもそうしたロックンロールをまだまだ信じて転がり続け、そこを更に押し上げてゆくバンドの一つとして、期待増す一夜だった。(加)