LIVE REPORT

<SILVERTREE presents”TURBO DISTORTION Vol.9″>

8/27(Sun)

SILVERTREE / the mush bob men’s(仙台) / TENGUSTAR / LOVE LIKE BEER

SILVERTREEがDaisyBarに初めて出演したのが昨年の7月。確か5月頃に紹介してもらい、音源もらって出てもらう事に。その春に高校卒業して、バンドする為に仙台から上京、準備が整って、東京でもライブを始めよう、と、いったタイミングだったと思う。音源を聴いた時はインディ、ギターロック系の印象で、これで高校出たばかりとは凄いな、と思ったのを憶えている。そして実際のライブを観てみると、ラウドなハードロックやミクスチャーと言った要素が強く、更に演奏力含め、ライブも上手く、あらためて、これで高校出たばかりって凄いな、と思った。昨今、録音技術も向上して音源の方が良かったと言うバンドも少なくない訳だけど、SILVERTREEの場合は、音源よりライブの方がインパクト強かった。そ れからDaisyBarでライブを重ねて行く中で、今回自分達で自主企画を行いたいと言う事になりこの企画が決定、開催の運びとなった。まずトップを飾るのはTENGUSTAR。SILVERTREEがこの一年の間DaisyBarで出演しているなかで彼等と出会い、何度か対バンし、お互い刺激しあう関係に。そのTENGUSTAR、この8月にベースのイマギレが脱退、この日よりサポートベースにLIFE GUARDのヒロを迎えてのライブとなった。メンバー脱退にあまりネガティブな雰囲気はなく、逆にバンドとしては、ポジティブな変化として受け入れている様にも見えた。新体制初ライブと言う事で、まだ硬い部分もあったけれど、あらたな表情のTENGUSTARが垣間見られた。彼等の楽曲の持つ郊外感というか、携帯電話が無い時代の風景みたいなモノが、個人的にはあらためて見えて、グッっと来た。そうしたTENGUSTARの楽曲の持つ不思議な力の強さを感じたライブだった。そして2バンド目登場はLOVE LIKE BEER。最初は、お客さんとの間合いを量りかねていた部分もあった様にも見えたけれど、きちんとその音はフロアには届いていたと思う。そしてしっかりと役割を果たし会場のGrooveを持ち上げた。そして三番手に登場はthe mush bob men’s。SILVERTREEの仙台の先輩と言う事で、貫禄のライブを展開。ストレートに唄が伝わってきつつ、重みとドライブ感あるロックンロールを聴かせた。仙台を拠点にしているバンドという事で、そうした東京との距離感が、よい意味で彼等の根底にあって、そうした部分に熱くなった。そしてトリのSILVERTREE。彼等が登場する頃にはお客さんもかなり入ってきて会場も更に熱を帯びていた。その中で、新曲を数多く折り込んだ攻めのセットリストでライブを展開。新曲は、R&B、ヒップホップ的要素が強く、彼等の音楽性の幅の広さと、そこを取り込み、消化できる演奏力の高さを見せつけた。相変わらず凄い。そして、そうした新曲の合間に演奏された「マンション」の様なストレートなメッセージの楽曲も、お客さんの熱と、スタジアム感が出てきたバンド演奏で、その大仰に聞こえた楽曲が収まってゆく。バンドの器というか、容量が増えてきたことによって、その説得力が増してきた。イベントはそのままSILVERTREEの勢い衰える事なくアンコールまで大盛り上がりで終了。イベントを通じて、SILVERTREEのシンプルさと、初期衝動で突き進むパワーが発揮され、ロックンロールの原点みたいなモノを思い起こさせてくれた。そもそも、ロックンロールで売れる為にバンドやってる訳だし、その為に東京に出て来ている訳だし。そして、TENGUSTARの郊外感や、the mush bob men’sの仙台から見た東京、そしてSILVERTREEの夢を叶える為に出て来た東京、という、こうしたそれぞれの東京との距離感を感じながら、自分の中の原風景や初期衝動を思い起こさせてくれたそんな熱いイベントだった。これはやはりSILVERTREEでなければ出せないイベントのGrooveだったと思う。(加)