<~TENGUSTAR企画“ネオ平成ナイトフィーバーVol.3”~>
10/24(Sat)
TENGUSTAR / mellow / プラナリア / O.A;渡邊優人
天狗☆スター改めTENGUSTAR、ボーカルギター原田諭、ドラム原田直樹、ベース今給黎亘、のfrom町田、相模大野の3人からなるシンプルな3ピースバンド。DaisyBarに出演し始めて、もう2年以上。DaisyBarで、この名前を見ない月は無いし、数えた訳ではないけれど、多分この2、3年間の中で、最もDaisyBarのステージに立っているバンド。このバンドの最大の魅力は、やはりボーカルギターの原田諭が書く楽曲。その原田諭はまだ19歳。と言う事は、DaisyBarに出始めた頃は、16、17歳と言う事になる。その頃から、十代とは思えない妙な落ち着きと風格があって、毎月(もしかすると毎週)の様に会ってはいるけれど、たまに、何歳になったんだろうと思い、あらためて年齢聞いたりして、その度に驚いたりしている。最 初に音源を渡されて聴いた時も、Nirvanaとか好きそう、と言う感じの演奏の中で、やはりその声と曲が印象的だった。当初のライブに関しては、若さもあり、決して上手くはなかったと思う。そして、それから淡々と毎月の様にDaisyBarに出演。その間も、ギターが入ったり脱けたり、メンバー替わったりしながらも、止まる事なくライブを続けて行くなかで、バンドの存在感を示し始めた。そんな中、1年前の10月、先輩バンドだったり、DaisyBarで出会った同世代バンドなどを集め、彼等が企画したイベントがこの「ネオ平成ナイトフィーバー」。この日はその第3弾。mellow、プラナリアと、DaisyBarで出会った2組のロックバンドと、弾き語りで渡邉優人を招いての開催。まずは渡邉優人の弾き語り。とは言いつつも、シティ ポップの流れを汲む楽曲を、キッチリとしたアコースティックギターの演奏と、すっきりとした唄声で表現していて、なかなか稀な存在ではないかと思う。そうした演奏でオープニングというポジションで、しっかりとお客さんを引き付けていた。そして二番手に登場はmellow。彼等もメンバーの入れ替わりが激しいバンドで、この日も、ベース、ギターとサポートを入れてのライブ。それでも、しっかりと彼等のロックンロールを十二分に全力で叩きつけるパフォーマンスを見せて、会場を熱くさせた。毎回崖っぷちにいる様な雰囲気ながらも、最終的にそれをバネにして、決して止まらず、逆に進化を模索する、ボーカルギター田中のバンドに対する姿勢に、彼のロックを感じた。そして次は、プラナリア。バンド としては一年振りの登場。最初から最後まで熱量を上げたまま一気に畳みかける力のこもったパフォーマンスを見せ、同世代のTENGUSTARのイベントと言う事で、慣れ合いになるのでは無く、そこに良い意味での緊張感を作り上げた。そしてトリはTENGUSTAR。これまでの3組のライブや、会場からの熱気を受けて、彼等も最初から気合いの入ったパフォーマンスで客を煽る。最初に、彼等の魅力はその楽曲の魅力と書いたけれど、この日もそうした楽曲を、矢継ぎ早に放つ。その楽曲の魅力は、一度聴いたら耳に残り、思わず口ずさんでしまうメロディー、そして歌詞。バンド名や、イベントタイトルからして、決して垢抜けたバンドでは無いのは分かると思うけれど、楽曲もそうした良い意味での泥臭さとポップさを兼ね備 えていて、逆にいうと流行とは関係ない、普遍性も感じさせたりする。夏の終わりや、冬の帰り道に感じる、ちょっとしたリアルな孤独が唄われていたり。そして、この日最後に演奏され、彼等のライブでも定番となっている「夜行」では、主人公は、日常の中で音楽を聴きながら、此所では無いどこかへ、夜汽車で旅立つことを夢想する。此所ではない何処か、そして日常からの脱出、でも結局、何も変わんねーかも、と言うのは、まさにロックの命題でもあるとも思う。それをサクッとポップに聴かせる楽曲。この日もサビで会場を一体化させ、ライブも大盛り上がりで終了。まだまだ演奏も上手い訳では無いけれど、そうした部分も含め、彼等の今の魅力を存分に出し切ったイベントだった。そして、この日の フロアをみると、DaisyBarでもお馴染みの顔ぶれも多かった。最近DaisyBar周辺では、TENGUSTARファンがジワジワと増えて来ている気がする。