<DaisyBar Autumn Fes 2013
~尾崎世界観の日~>
10/03(Thu)
尾崎世界観(クリープハイプ) / タケト / チプルソ /
長谷川カオナシ(クリープハイプ)
尾崎君が、もう何年も前から行なっているイベント「尾崎世界観の日」。今年は、彼以外の出演者は当日まですべてシークレットという形での開催。チケットは、もう即日秒殺で完売。プレオーダーもかなりの倍率でした。今の彼の勢いもあると思うし、それに加え、尾崎世界観が何を見せてくれるんだろう、と言う期待の大きさの表れでもあったと思う。そしてこの日、一人ずつ、尾崎君が紹介して出演者を呼び込む形でイベントが進んで行ったので、本当にそれまでは、誰だか分からない状態。そんなわくわく感というか、期待感が終始溢れていた。この日の出演者は、出演順に長谷川カオナシ、チプルソ、タケト、尾崎世界観の四名。HIP HOPにお笑いと、ジャンルというかもう、ジャンル自体を乗り越えた組合わせで、尾崎君も途中のMCで、<振れ幅広くて感情の持って行きどころが分からないかもしれないけど>みたいな事を言っていたけれど、これは確かに彼でなければ、オーガナイズ出来ない組合わせ。最初に登場した長谷川カオナシは、アコースティックギターでの弾き語り。クリープハイプの曲と自身の曲と半々くらいの割合。彼が唄うNE-TAXIも、彼が弾くアコースティックギターも、なかなかレアでした。MCも沢山喋って、NE-TAXIを唄うくだりで、彼ならではのクリープハイプへの愛情表現があって、今のクリープハイプの強さの一因を見たような気がした。そして、二番手はチプルソ。バックビートに乗せてラップを繰り出すスタイルで、最初は少し堅かった会場の空気も、最後はもう完全に彼のモノで、自分のフィールドに引きずり込んで行く様は圧巻でした。尾崎君が、彼の様な本物の人に認めてもらえて嬉しい、と言うのがなるほど分かった。そして三番手はタケト。スクリーンにiPadから写真を映しだしてトークするスタイル。フリートークというか、漫談もあり、その中で尾崎君との話も披露されたりして、純粋に笑わせてもらいました。ここでもやはり、会場を自分の空気にして行くのは凄いなーと思った。そしてトリは、この日の企画者でもある尾崎世界観。この日は、弾き語りならではの、あまりバンドでは演奏されない曲中心の選曲で、個人的には、久し振りに君の部屋、ボーイズENDガールズが聴けたのが嬉しかった。あと松居監督にボツにされたという曲も披露されたり、弾き語りならではの自由な雰囲気もあったけれど、彼のライブ中は、会場全体が、良い意味での緊張感というか、集中力みたいなもので覆われていました。そして、最後、アンコールで、カオナシ君(ヴァイオリンで参加)と演奏された「自分の事ばかりで情けなくなるよ」も素晴らしかった。尾崎君、弾き語りも以前から良かったけれど、説得力というか、表現力に更に磨きがかかってきている気がしました。濃厚なエネルギーを放つ、ジャンルの異なる出演者で行われたイベントでしたが、終わって見ると、この日は、こうでしかなかったんだろうな、と合点が行くというか、シークレットにした意味もあったし、お客さんも、期待以上のモノを見られたのではないかと思います。本当にとても贅沢な一夜でした。(加)