<Shespider 1st mini Album release party [Imitation Night]>
7/02(Sat)
Shespider / THE ROAMERS / FACTOTUM / Wanna-Gonna
DJ;斎藤雄(Getting Better/JUKEBOX) / Yuya(JUKEBOX)
遡ってみると、ShespiderがDaisyBarに初めて出演したのが、2013年の8月で、ちょうど三年前。当時はギター二本、ドラム、ベースの普通の四人編成で、UKやUSのインディロックからの影響を感じさせるロックをやっていた。ライブにうまいヘタがあるかどうか、と、言うのもあるのだけど、彼等は、どちらかと言うと、曲は良いのに、もう少しライブがうまければよいのになー、と思った記憶があって、実際本人達にもそんな話をしていたと思う。その後、メンバーの脱退など紆余曲折あって、暫くDaisyBarにも出ていなかった期間もあったりはしたのだけれど、昨年11月久々に出演してもらった時には、現在の打ち込み主体のドラムレスの形になっていた。その時は、その編成になってまだ間もないと言う事ではあったけ れど、逆に吹っ切れてきたというか、思い切りやってる感じがよかった。その後、何回か続けて出演して、ライブを観て行く内に、派手さはないけど、サウンド、パフォーマンスが肉体的になって行って、どんどんカッコ良くなって行った。肉体的というのは、うまく説明できないんだけれど、音に肉体感があるというか、Grooveが身体にクル感じ。ライブを観る時、いろいろと頭を使うというか、考えるタイプの音楽もあるし、涙腺に訴える音楽もあるし、身体にクル音楽もあったりするんだけれど、最初の頃のShespiderは、どちらかと言うと、凄く考えて音楽作っている感じはして、今思えば、それにバンド、肉体がついてきていない感じだったのかも。そして生楽器を一旦捨てた途端に、逆にドンドン肉体的になっ て行ったというのは、凄く面白いなと思う。きっと、その打ち込みのリズムにする事によって得た自由で、彼等が考えている事に、肉体がついてきて、それがキチンとリスナーに届く様になってきたと言う事なのかもしれない。その音のフロアへの伝わるスピードと同様に、そこからの広がりは早かったようで、CDをリリースという運びになり、そのリリースパーティという事でこの日を迎える事に。出演バンドも強力。トップのFACTOTUMは、まさにそのフィジカルサウンドと打ち込みサウンドを融合させたゴリゴリロックダンスサウンド。途中ゲストギタリストも入ったりで、そのライブ感も増して、端から会場を湧かせた。二番手はWanna-Gonna。一転、ゆったりとしたGroove感で会場をゆらゆらと揺らす。西海岸的なサウ ンドと、ソウルフルなサウンドを確かな技術力で鳴らすパフォーマンス。そう言う意味で、こちらもかなりフィジカルなGroove。そして、フジロックのROOKIE A GO-GOへの出演も発表されて間もないタイミングと言う事で、会場の注目度も期待度もかなり高いのがヒシヒシと伝わって来た。そんな中での堂々のパフォーマンスを見せた。そして三番手で登場が、THE ROAMERS。テンポ的にはどちらかと言うと、ミドルテンポの曲で構成されたセットリストにも関わらず、そのライブの温度感というか、テンションはかなりアッパーで、まさに圧巻。前回ライブを観てから間もないにも関わらず、そのパフォーマンスは日に日に進化し、益々磨きがかかってきていた。この日どのバンドもそうだった様に、Shespiderのレコ発を祝いつつ、全力で持ってゆくつもりで、挑んでいて、その中でTHE ROAMERSの試合巧者振りはさすだった。そしてトリはこの日の主役Shespider。既にフロアもかなり埋まりShespider登場。これまでの3組が、それぞれ濃厚なパフォーマンスを披露して、会場も熱を帯び、Shespiderにもよい形のプレッシャーはあったと思う。そんな中、彼等独特のマイペースながら、自信も感じさせる熱いパフォーマンスをみせた。ポップ且つインディロックなテイストも持つダンスミュージック。そんな彼等の本領が、こうした多数のお客さんの前でこそ、キッチリと発揮されると思った。後半、ゲストで生ドラムも入ったり、まさにフィジカルなGrooveでフロアを踊らせ、大盛況で終了。これまで紆余曲折ありつつ、こうしたメンツを迎え、リリースパーティーを成功させる所までになったのは、よかったと思 う。ある意味で、世の流れに敏感に反応して、変化してきた結果でもあると思う。そしてこの日出演したバンドは、それぞれ音楽性は四者四様であったのだけれど、そのせめぎ合いは見応えがあった。また、こうした海外とリンクした新しいインディロックバンドが、ドンドン出て来て欲しいし、更に盛り上がって行って欲しいな、とあらためて思った。