LIVE REPORT

<DaisyBar 12th Anniversary ~Helsinki Lambda Club× teto presents“Last Comer”~>

4/19(Wed)

Helsinki Lambda Club / teto

この日はHelsinki Lambda Clubとtetoのスプリット盤の一足早いレコ発イベントで、2マン。tetoは、最初からリミッター外して、明日のこと、ペース配分とか関係ない、只、今、燃え尽きたくて、出し切りたい、もっともっと早く、もっともっと強く。一緒に盛りあがろうとか言わない。登場のSEがNIRVANAというのも熱すぎる。2マンと言う事で、普段より少し長くはあったけれども、いつものごとく全力疾走で完全燃焼し、更に外まで燃やし尽くすような、そこまで行かないと納得しないようなライブ。いつもながら彼等をみていると熱くなるし、teto強いと思う。いや、強くあろうとしているのかもしれないけど、そこを含めで強いと思う。Helsinki Lambda Clubは、The next! Liddell 1974や、SISTERJETのイベントにも呼ばれたり、言ったらそうした一つ上の世代のインディロックバンドを聴いてきた世代。そういえば、昨年の10月には、kyohei君の企画でVeni Vidi Viciousとも対バンを果たした際、喜んでいたのも思い出した。彼等が、いわゆる同世代のギターロックバンドと一線を画している(と個人的に思う)のは、そうしたUK、USの影響を受けたインディロックバンドの流れを汲んでいるからだと思う。ヘルシンキの中にも血や肉として、直接的にUK、USインディの要素は入ってもいるけれど、それと同時にそうした日本のインディロックを経由しているからこそ、オリジナルティーというか、発明をきちんと普遍化しているというか。よく考えると、そうした系譜のなかにあって、前線で踏ん張っているこの世代のバンドって、ヘルシンキ以外、パッと思いつかない。だから彼等の任も重大、という訳でもないのだけれど、ここに上げたSISTERJET、Veni Vidi Vicious、The next! Liddell 1974といったバンド(みな日本語詞で唄うバンドだった)が、なかなかライブに対して重い腰を上げない状況のなかで、彼等が自らシーンを牽引しなければ、と思ったかどうかは別にして、こうしたスプリットCDを出すというのも、彼等の現場感覚でもあるだろうし、批評性だと思う。そして、その相手としてtetoを誘ったのも流石だな、と思う。彼等が次々と繰り出す楽曲を聴きつつ、MCを聞きながらそんな事をたくさん思った。そして、ヘルシンキにしろtetoにしろ、この2マンをわざわざ2daysにするとか、アンコールのワチャワチャした感じとか、極論言ってしまうと、この時勢に、人力でロックやるとか、何でこんな効率悪い事をやっているんだろうと思ったりもしなくもないけど、そうでしか出来ない事もあるし 、そうするからこそ生まれるGrooveもあるし、だからこそ心動く事もあるな、と、あらためて思った。そしてこのイベントがソールドアウトして大勢のお客さんが詰めかけてきてくれたと言う事が、すべて物語っていた。(加)