LIVE REPORT

<teto”ワンマンツアー「始発」”>

7/04(Wed)

teto

調べてみると、tetoがDaisyBarに初めて出演したのは、2016年6月。通常のブッキングイベント。その日のtetoのライブは、今でも記憶に残っている。正直、何をやっているかよく分からないんだけど、なんか、勢い爆音と熱で、グワーっとガチャガチャとして一気に終わったというか。なんだったんだこれ、と言う感じ。どう受け止めてよいのか、よく理解できていなかったというのが正直な所で、まさに2年後に、DaisyBarをワンマンで余裕で即完させるバンドになるとは夢にも思っていなかった。職業柄、そこを見抜けなくなったか、とも思うけれど、正直、例えば、Veni Vidi ViciousをDaisyBarで初めて見た時も、なんだこれ、と思ってまったく理解できず、何度も観ている内に、カッコイイなーと思う様になってきたと言う例もあり、こちらが、いつの間にかこうあるべし、と思ってモノを観る様になっている部分もあって、それとは全く別の次元で、その表現のフォーマットの枠を越えた所で、自分の表現と戦っているというか、そこを越えようとしているバンドもいて、こちらの常識というか、見方というか、そういうモノにどうなんだ、を、突きつけてくる様な。tetoはそういう良い意味で、やっかいなバンドだ。それでも、やはりリスナー、フロアーのお客さんは、正直というか敏感で、きちんと彼等のそのギリギリのパフォーマンスを受け止めていて、tetoは、本当にその一人一人に毎 回キチッとライブを届けようとしていて、ライブをする毎に目に見えてお客さんが増えていった。それが今日に繋がっている。この日のワンマンを見た時もやはり、やっている事の核は全く変わっていないなと思った。それでも、当時、彼等の中に内包していたエネルギーの爆発のさせ方を分からず、やりたいことに身体がついて行かなかった様なところが、凄くパフォーマンスとして合致してきているというか、そのことによって、以前はすごくアンチなパワーで押し切っていた様に見えた所も、ピースに変換されて、それがポップさを増していた。純度を上げて行く程、ポピュラリティーを獲得して行っている様な希有なバンド。ステージ上を酸欠寸前にする程、シンガロングする満員のお客さん、その上に何度 もダイブする小池君とか、当時から演奏してた「teenage」からの「9月になること」、等々、なんか相変わらず、どう説明してよいか分からないんだけれど、グッときてしまう瞬間の連続。これって何だろう、と思いつつ、考える間もなくあっという間に終わってしまった。彼等のライブを観ていると、常に、お前はどうだ、を突きつけられて、凄く深い所をえぐって感情を揺さぶってくるんで、面倒なんだけど、それは私にとってそうだと言う事で、それぞれのリスナーにとってのtetoがあって、景色が見えているんだと思う。私はtetoのよい聴き手では無いのかもとも思うし、こうやってそんな私がtetoに関して何か書くのもどうなんだろうとも思わなくもないけれど、でもやっぱり語りたくなるバンド。そして最終的 に、身も蓋もない感想になってしまうんだけど、やっぱりteto凄いな、と思った夜だった。そしてこうやって大事なワンマンを、ここDaisyBarで開催してくれて、素晴らしい光景をみせてくれて、本当にうれしく思うし、感謝です。(加)