LIVE REPORT

<Droog TOUR 2014 ~地獄めぐり~>

5/17(Sat)

Droog / THE PINBALLS / the twenties

 この日は、5/14に発売されたDroogのニューシングル「In A Ghost World」のリリースツアーの初日。the twenties、THE PINBALLSというロックンロールバンドを招いての開催で、チケットは見事SOLD OUT!。開場してイベントが始まる前には、既にフロアーは超満員で、この日のイベントへの期待が感じられる。そんな中まず登場したのはthe twenties。ダンスミュージックの要素をふんだんに取り入れながらも、根本にあるのはロックンロール。フロアを音で、そしてパフォーマンスで何度も挑発し、見事にフロアーを沸かせてくれ、ホントあっと言う間の、まさに怒濤のステージを見せてくれた。
そして、次に登場したのはTHE PINBALLS。このイベントの前月、4月には、The next! Liddell 1974との2マンもここDaisyBarで行い、そこでも会心のライブを見せてくれた彼等。その突き抜けるロックンロールに、どことなく哀愁漂うメロディー。そんな楽曲を矢継ぎ早に畳みかけて行く。そこにお客さんも応え、更にバンドも反応すると言った相乗効果で、どんどん熱くなって行くパフォーマンスとお客さんに、ボーカルの古川も「楽しい」を連発していたのが印象的だった。この二ヶ月間で、彼等の王道でありそうで、ある意味独特なロックンロールの魅力にあらためて魅せられてしまった。 そんな彼等の魅力が存分に発揮されたライブだった。そしてそうした強力な二組のライブを受けて、トリ、この日のホスト役であり主役であるDroog登場。ツアーも始まったばかりと言う事で曲順などは避けますが、ニュー シングルのリリースツアーという事で、当然そのシングルに収められている楽曲は披露され、これが、これまでのDroogとは一味違った内容。
「In A Ghost World」は、イントロのリフ、そしてリズムと、これまでDroogでは聞かれなかった近年のインディロックテイストも加味させたナンバー。そしてカップリングの「BORN TO DANCE」は、まさにリフで引っ張るDroogならではのダンスナンバー。どちらもこれまでに無いテイストの楽曲だけれど、Droogのロックンロールとして鳴っていて、お客さんもしっかりと反応していた。そしてこのシングルでのもう一つの変化が、カタヤマのボーカルスタイル。今までの投げつける様なモノから、よりメロディーをキッチリ聴かせる形に変化。それがライブへも反映され、既存の楽曲にも新たな息吹を吹き込む。そして、お客さんともコミュニケーションを取りながら、きっちりロックンロールショーとして魅せ盛り上げて行く。Droogというと、やはり個人的にDaisyBarに初登場した際のノンストップで畳みかけるライブが印象的で、未だに記憶に強く残っているのだけれど、今の等身大のロックンロールシ ョーも、また彼等の魅力が伝わってくる。そして終盤、カタヤマが、あまり曲の事とか説明しないんだけど、と言って、バンドのメンバーとの関係に触れてから披露された「BAND ON THE ROAD」。これも今回のシングルのDroogの新境地のポップナンバー。個人的にはこの日のライブのハイライトの一つでグっときた。こうした事も、これまでのDroogではあまりなかったかも。そうした所から、今回のシングルとツアーが彼等にとってまた新しい試みであることは間違い無さそう。このツアー後の彼等のライブもまた楽しみ。ライブの方は、アンコールで、この日の出演者the twentiesタカイとTHE PINBALLS古川を招き入れ、The whoの「サマータイムブルース」のカバーで、フロアもステージも大盛り上がりで終了。こうしたロックンロールバンドばかりが揃ったイベントがSOLD OUTになったのは本当に嬉しい。そして、この3組を見て、ロックンロールもダンスミュージックなのだと再度認識したそんな一夜だった。