<TIMES FOR NEW HEROES&HEROINES>
5/17(Sun)
VENI VIDI VICIOUS/andymori/THE SUZAN
君と僕、あなたとわたしは、分かり合えるのか?、なんて、凄く青臭く聞こえる様な事が、あらゆる表現の根底に流れる命題だったりすると思う。で、個人的にかなり極端な事を言えば、究極的にはどこまで行っても結局は、君も僕も、あなたもわたしも、分かり合える事など永遠に無いと思っていたりする。しかし、本当に心底そんな事を思っているなら、こんなに多くの表現に接したり、人と会ったり、喋ったり、怒ったり、がっかりしたり、喜んだりする事は無い筈で、ほんの少しなのか、かなり大きいのか分からないけれど、きっと分かってもらえるさ、と思っているんだと思う。普段そんな事考えたりしないのだけれど、ここ最近、忌野清志郎ばかり聴き返していたら、そんな事をふと思ってしまった。 この三組のLIVEレポートを書くのに何故こんな話から入ったのか良くわからなくなってしまったが、そんなモードの5月、DaisyBarでしか為し得なかったであろう、奇跡の顔合わせが実現。当日は、OPENと同時に多数のお客さんがご来場。フロアーが、あっと言う間に埋って行き、これから始るイベントに対する期待がヒシヒシと伝わってきて、更に大きくなって来た所でまずトップのandymori満を持しての登場。強烈なドラムのイントロから、一気にLIVEが加速して行き、アッパーなリズムと共に勢いよく乱射される言葉。そんなアッパーな楽曲もカッコ良かったけれど、スローでフォーキーな楽曲の説得力も素晴らしくて、~初恋の香りに誘われて死にたくなる夕凪~、なんてフレーズで瞬間的に撃たれた。弾き語り風な楽曲1曲披露して、最後ベンガルトラとウイスキーで駈け抜けるようにLIVE終了。以前観た時は力任せというか、狂気に任せる様なLIVEだったけれど、狂気を孕みつつ見違えるようにクールにいろんな事をコントールしたLIVEだった。二番手はVENI VIDI VICIOUS。DaisyBarでの前回のLIVEから一ヶ月半程しか経っていないのだけれど、何か久し振りな感じ。そして登場した4人は、Bassにマサミ復帰でいつもの4人。そして一曲目、キラキラ スぺーシーなリフのコスモでスタート、そしてFREE WAYとヒット曲連発で更に膨れ上がった会場を一気にヒートアップさせたかと思うと、 独特の間合いをとってみたり。そして、タケシが唄う新曲も披露。最後はYeah Yeah Yeah、で爆発してフィニッシュ。かなりアッと言う間のLIVEでもう1,2曲聴きたかったけれど、ホント彼等のLIVEは、生き物で、この欄もいつの間にか月間VENI VIDI VICIOUSとなって来た感はあるけれど、そうやって毎回CHECKしたくなるくらい、毎回LIVEの持つ本来の生々しさと、ドキュメント性を見せてくれる。今回も、そうやって、新しい事に挑みながら、組み立てては壊し、壊しては組み立ててを繰り返しながら強度を増して行く、彼等らしいLIVEだった。そしてトリはTHE SUZAN。この日は序盤少し堅さもあった気もしたけれど、LIVEが進むにつれ、集中力を上げ、いつもの様に楽しそうに、お馴染みのハイクオリティーな楽曲群を連発。フロアーもどんどん巻き込み、盛り上げながら、本編終了。彼女達を前にすると、毎回、世の中のほとんどの事はどうでも良いかなと思えてくる。そして更にこの日圧巻だったのは、アンコールで披露された超POPな新曲。いやー、ビックリ。まだ更にこんな新曲を持ってくるとは。前回の渡欧前もそうだったけれど、またもやTHE SUZAN新曲量産体制に入った模様。あの時も毎月の様に新曲が披露されて、毎回、驚かされ、この事態を多くの人に知って欲しい!と強烈に思っていたのを想い出した。THE SUZAN、これからのLIVEへの期待は否が応でも高まる。そして彼女達の動向からも目が離せない。と、言う訳で、この三組、三者三様で共通する部分があるかどうかは、わからないけれど、誤解も結果も恐れず突き進む、彼、彼女等の姿勢は、本当に素晴らしいと思う。そしてandymoriやベニを聴きながら、冒頭で清志郎を聴きながら考えた様な事をふと思ったのも事実。まだまだROCK ‘N’ ROLLから教わる事は多い。
(加)