LIVE REPORT

<DaisyBar 10th Anniversary“第三回弾き語らNIGHT”>

3/19(Thu)

佐々木亮介(a flood of circle) / 武藤昭平(勝手にしやがれ/武藤昭平 with ウエノコウジ) / 古川貴之(THE PINBALLS)

DaisyBar10周年月間の3月。このイベントが行われた3/19が、DaisyBarのまさに誕生日。その満10歳の日に開催された豪華弾き語りDAY。一見、かなりロックな三組なのだけれど、まさに三者三様で、それぞれの人間味を濃厚に反映させる演奏を聴かせてくれた。この日、三組がそれぞれに演奏している瞬間瞬間に思った事は、シンプルに「音楽って素晴らしい!」と言う事。もう何か身も蓋もない感想なのだけれども、シンプルにそう思える瞬間というのは、そう多くは無い。この日は思わず、そう唸ってしまうしかない瞬間に溢れた、幸福な時間だった。弾き語りというシンプルな形によって、三人の人間的エネルギーをリアルに感じる事ができ、また、そのエネルギーを、全力で音楽という形に全て注ぎ込 んでいるという事が、ダイレクトに伝わってきた。そして、それぞれの演奏やメロディーや言葉が、響き合いながら、会場全体を音楽愛というか、人間愛みたいなモノで包んでいた気がする。まず最初に登場したのは古川貴之。この日は、ギターの中谷と二人での演奏であったが、やはりバンドでは見られない、古川の個性全開というか、よい意味で生々しく、素の部分が出ていた。後半、THE PINBALLSの「まぬけなドンキー」前のMCで、一瞬感極まる場面があり、そこからの演奏も、リスナーを鼓舞しながら自らを鼓舞している様で、感動的だった。そして二番手は武藤昭平。もう流石というか、会場をどんどん自分の空気にして行って、般若心経をトーキングブルーズ風に演奏したり、途中触りだけ演奏されたボブディランのカバーも、その歌声に、本当にディランが乗り移った様で鳥肌ものだった。クラッシュのカバーもあり、会場全体をHAPPYにさせつつ、しっかり重しを乗せる様なライブで、彼の音楽的且つ人間的な懐の深さというか、大きさを感じさせるパフォーマンスだった。そしてトリは佐々木亮介。DaisyBar10年の中で、彼のバンドa flood of circleも、2年目あたりから出演してくれているので、彼との歴史も長い。その中で、本当にバンドとしてもいろいろな事がありながら、止まらずに続け、更に成長し続ける彼等を凄いと思う。この日、彼等がDaisyBarに初めて出演した時に最初に演奏したと記憶している「ブラックバード」もあり、そして、更にその前半で演奏された「Black Eye Blues」も、ロックバンド、ロックンロールは止まらず、続けるんだ、と言う事を唄った曲だと思うし、それで世界を変えると唄えるロックアーティストは、なかなかいないと思う。そして、アンコール、この日最後は、ビリージョエルの「ピアノマン」に、自ら日本語詞を乗せたカバー。世の中を冷めた目で見ながら、決して諦めない姿勢を唄った曲。その曲を文字通りの熱演で、この日を締め括ってくれた。MCで、ロックバンドは始めた以上続けるものだ、とここDaisyBarで教わった、と言う様な事を言ってくれたけれど、彼等が初めてDaisyBarに出演した時から、彼のなかでは、そこはぶれていない部分なのだと思う。と、言う訳で、DaisyBar10周年の誕生日に、音楽って素晴らしい、と心から思えたのがなにより幸せだし 、なによりのお祝いだった。本当に最高に幸せな時間を作り出してくれた三人と、お客さんに感謝。そして、佐々木亮介がMCで「DaisyBarは日本で一番最高のロックンロールバンドが集まる場所だ」とも言ってくれ、良い意味でのプレッシャーも置いていってくれた。お互いぶっ倒れるまで続けましょう!!。