LIVE REPORT

<DaisyBar Autumn Fes 2014~TRMTRM EPリリースパーティー~>

10/26(Sun)

TRMTRM / YOUR ROMANCE / LAME2FAME / 岩本岳士(QUATTRO)

 この日は、QUATTROの岩本岳士が設立したレーベル「Littleize records」の第1弾アーティスト、TRMTRMのEPリリースパーティー。TRMTRMは、元Psysalia Psysalis PsycheのToRu MaTsuMoToを中心に結成された、ToRuMaTsuMoTo、MinoRu naRa、Shinichi Takahashi、Ryosuke Takahashiからなる4人組のバンド。Psysalia Psysalis Psyche(通称サイサリ)は、2008年~2009年あたりに、よくDaisyBarにも出演してくれていて、それこそ、QUATTROと対バンを組んだりしたこともあった。当時、ワールドクラスと言えるインディバンドが次々と現れて、DaisyBarのステージでも熱いライブを繰り広げてくれていて、サイサリ、QUATTROも勿論その一翼を担っていたバンド。今では世界基準があたり前な感覚だけれど(もしくは、そこをマルっとよけてドメスティックなPOPを鳴らすバンドに二分されている気もするけれど)、やはり当時は衝撃的でした。そして、時を経て、QUATTROの岳士君がレーベルを設立して、その第1弾アーティストがToRu君のバンドで、そのリリースパーティーが、このDaisyBarで行われるというのは個人的に感慨深い。と、言う事でライブの方はまず、レ ーベルマスターである岩本岳士が、エレキでQUATTROの曲中心の選曲で弾き語りを聴かせ、きっちりとオープニングを飾る。そして、元NILE LONGのsim氏によるソロプロジェクトLAME2FAMEが続き、ポップでソウルなダンスナンバーをカラフルに奏で、曲毎に会場を海辺のビーチだったり、心地よいダンスフロアーへと変化させた。3組目はYOUR ROMANCE。前身バンドで十代の頃からDaisyBarにも何度も出てくれていたメンバーもいて、そうした十代の時に、QUATTROなどを直撃で観てきた世代。そうした影響を受けた面々に前後囲まれての登場は、かなりの緊張もあったかと思うけれど、堂々としたライブパフォーマンスを披露。楽曲もNewWaveなポップのなかに、多種多様なリズムや仕掛けが随所に折り込まれて、そうしたアイデアを体現できる技術も持っていて、それでいて決して頭でっかちではない、ちゃんと身体に来るポップでカッコよかった。そしてトリは、この日の主役TRMTRM。4人のメンバーに三本の管楽器も加わった編成。オープニングから、その管楽器をフューチャーしたインストの楽曲で、その音の深淵に落としてゆく様なパフォーマンスで、一気にもっ ていかれた。各楽曲、かなりゆったりとしたスローな曲が多く、内省的且つパーソナルな歌詞の内容が多い様に感じたけれど、それでいて決して暗くはならないPOPを纏い、どこか底の部分にCOOLさと熱さが同居している様なライブだった。まだ楽曲が無いと言うことで、アンコールも無かったけれど、第一声としては充分な、これからが楽しみなパフォーマンスだった。こうして岳士君の弾き語りから、TRMTRMまで通して観て、最初に書いた様に、色々と感慨深い思いもあったけれど、様々な過去の物語は置いておいて、現在進行系で最前線だとあらためて感じるかなり濃い音楽体験だった。今年のフジロックでArcade Fireを観た時に、こういうバンドは日本からは出てこないだろうなーと思ったけれど、この日のイベントを通じて、そんなことも無いかもな、と思ったりもした、そんな素晴らしい一夜だった。