LIVE REPORT

<クリープハイプUstream生配信ライブ>

2/21(Fri)

クリープハイプ

 前日、突如発表された、クリープハイプのUstream生配信ライブ。DaisyBarがそのライブの会場となった。お客さんは入れず、カメラの向こうのリスナーに向かってのLIVE。迷った末、一般のリスナーと同じ様に、ネットを通じて自分のパソコンでそのライブを目撃することに。既にライブが始まる前にも3000人近い人達が待機。冒頭、ボーカル尾崎よりレコード会社を移籍することが静かに伝えられた。そして今回のベスト盤に関しても彼等の言葉できちんと語られた。それは何よりリスナーに対して誠実な言葉であったと思う。そして、これから行うライブは、彼等が音楽ニュースサイトで知った、そのベスト盤の曲順で行う事を伝える。それを聞いた時、どこまで誠実で、強くて、サディスティックで、その他いろいろひっくるめて一言で言うと、どんだけロックなんだと思った。そうした、リスナー、そして自らの表現に対しての姿勢と、カメラの向こうから伝わってくる彼等の気迫で、一人のロックファンとして、もうこれは凄い事に立ち合っているなと単純に鳥肌が立って興奮した。この日演奏された曲目の選曲、曲順は、敢えて第三者が選んだモノに乗っかった形で行った訳だけれど、それが、まんま、このシチュエーションにハマり、強力な破壊力と意味と普遍性を持つという、トンでも無い事が起こっていて、もう素晴らしくエキサイティングで、もう演奏している彼等の姿を観て単純にカッコイイと思った。そして彼等の演奏に合わせて、視聴者数を示すカウンターがその興奮と比例するかの様に上がって行って、同じ様にこのライブを観ながら興奮し、感動しているリスナーが増えて行く事にまた感動してしまったりと、何か凄かった。この日の剥き出しの彼等を観て、いろんな事に苛立ちながらも、DaisyBarで唄い続けていた尾崎世界観のこれまでのいくつかのライブを思い出した。ホントどんなに状況が変わろうと、その根底は全く変わっていない、どころか、更にいろんな経験を経て、より鋭利になっているかの様にも思った。このライブを行うに至るまでの数日間に、彼等の周辺で様々な事が起こり、彼等も期せずして、注目を集める事となったけれど、結果的に言うと、このライブを観たらその辺の事はどうでも良いというか、伝わる人にはキチンと伝わったと思うし、彼等はきっちりと音楽でいろんな事を返してくれていると思った。そして、今回起こった諸々は、これまでも起こって来た新しい時代の幕開け、もしくは、時代の変化の中で起こる分岐点的な出来事の一つなのではないかとも思う。バンドとしては、身に振る火の粉を振り払っているだけだったのかもしれないけれど、クリープハイプは、もうそこに選ばれてしまったバンドの一つなんだと思う。この日のLIVEがそれを決定づけたと思う。そんな中で彼等は、これからも音楽でいろんな事を返し続けてくれると思うし、そこで唄い続け、演奏し続けて行く決心をした彼等のこれからが楽しみで仕方無い。そんな一夜を多数の人達と目撃できた事を嬉しく思うし、彼等の姿勢に勇気づけられ感動した一夜だった。