<集団パラリラ企画【月まで届け、少年ラの声 vol8】>
1/26(Sat)
集団パラリラ / ザ・チャンバーズ / ナショヲナル / イッキーサンプス
集団パラリラ、このバンド名を耳にした事のある人も徐々に増えて来ているのではないだろうか。DaisyBarによく足を運んでくれるお客さん、バンドなどは、特に耳にする機会も多いと思う。その露出の多さを印象づけているのは、やはり彼等の精力的なバンド活動と、その発信力だと思う。この数ヶ月間、DaisyBarで彼等が行って来た企画の数も、かなりなもので、昨年夏に、レコ発ツアーを回って、10月ワンマン、12月はVoGジンによるイベント空中祭、そして年が変わって1月がこの自主企画、そして2月には五月女五月との共同企画のフェスを開催と、もの凄い勢いで、ほぼ毎月に近い状態で企画を行い発信している。そこに、何か変な悲壮感みたいなものはなく、何か良くわからないエネルギーに、自然発生的に突き動かされている様に感じる。ホント毎回いろいろな仕掛けもあるし、対バンも濃いし、毎回観ていて楽しい。 そんな彼等との出会いは、サヨナラボーイというバンドの企画で出演したのが最初。今、調べたら2010年8月。そして彼等が「月まで届け、少年ラの声」の第一回を行ったのが2011年5月。なので、この企画をはじめてから一年半で8回目という事になる。その間に、ホントいろんな意味でバンドとして風格も出てきて、成長したと思う。
そしてこの日の第8回目の企画は、集団パラリラ、ドラマーリカコちゃんの復活記念。昨年春に某有名鞄メーカーに就職した彼女が、この度、この集団パラリラの活動に集中するため、その会社を退職し戻ってきたという事でのイベント。トップのイッキーサンプスは、この企画にも何度か出演しているパラリラの盟友と言えるバンド。今回ドラムが、急遽体調不良と言う事で、サポートメンバーを招いてのライブではあったけれど、その彼等の放つブルージーなリフと相まって、ソリッドでタイトなパフォーマンスを見せてくれた。そして二番手はザ・チャンバーズ。コッテリ且つ賑やかなファンクgrooveで、グイグイと半ば強制的に会場を盛り上げておりました。個人的には、以前、別のバンドでDaisyBarに出演してくれていたメンバーがいて、かなり久々に再会し、彼等の以前のバンドから変化したプレイスタイルも、またかなり見所だった。そして、三番手はナショヲナル。80’Sな、シンセのリフが印象的。こちらもまた、お客さんと一緒に踊って唄ってでかなり賑やかで、楽しいステージだった。お祭りなバンドが続いた所で、最後、トリは集団パラリラ。一曲目から生着替えあり、とか言うとなんの事やらという感じですが、無事リカコちゃん復活。そして、リカコちゃんの、人生かけての復活に、ジン君が売れるぞー、と、応える。 その売れるぞー、には、勿論、お金沢山儲けるぞ、と、言うのもあると思うけれど、実際にお金がどうの、と、いう事とは、またちょっと違ったニュアンスも聞こえる。集団パラリラが、これだけの発信力を持つのは、そこにメッセージがちゃんとあるからで、その中心にいるのが、Vocalのジン。彼のキャラクターとか、行動とか、全てがバンドに繋がっているというか、バンドが無かったら、この人どうなってたんでしょうね、と、思える人材。そういう人材は、元々バンドマンには多いのだけれど、ここ数年は、そういう天性というか、王道のロックスター道を歩もうとする人は少なくなってきているのも実感する。確かに時代は変化しているし、若者がその時代の流れに敏感になろうとするのは当然だし、それはそれで良いと思う。只、集団パラリラは、こんな時代にバンドをやり、売れるぞーと叫び、聴衆に夢を持てと煽る。その夢も、リアリティーの無い一時しのぎの青春応援歌みたいなモノとはまた違い、リアリティーと共にファンタジーの様な、そんな景色にみえて来る。なんとなく、面白半分に覗いてみたら、思わずクセになるというか、この先どうすんだろう、みたいな興味が湧いきて、いつのまにか、巻き込まれている。そうしていろんな人を巻き込みながら進んで行く集団パラリラ。売れる売れないは、まだまだこれからだけれど、売れるぞーと言い切れなければ、決してその売れるというステージには立てない事を彼等は意識的か無意識かで分かっていると思う。この何をやらかすか分からない感じ、こいういうバンドが時代に穴を空けてしまうかも知れない。と、いう訳で、リカコちゃん復活というストーリーの中で、集団パラリラのそのバンドとしてのモチベーションというか、信念みたいなものをあらためて垣間見た、そんなライブだった。パラリラワールド、進化中なので是非一度体感すべし!!。(加)