<JIGDRESS 3rd EP release tour 『outsider fanclub』>
6/24(Fri)
JIGDRESS / mother / シンガーズハイ
JIGDRESS、3rd EPリリースに伴う、初の自主ツアーの初日。シンガーズハイ、mother、との3マン。まずは、シンガーズハイ。JIGDRESSとは昨年お互いの自主企画などでも何度も対バン行っている仲。昨年12月のJIGDRESS企画でもDaisyBarに登場したシンガーズハイ。その12月に観た彼等のライブはバンドの勢いをまさに体感するものだった。そして、2022年7月末には、ここDaisyBarでワンマンも決定。チケットはSOLDOUTとその勢いは益々加速。そしてこの日もそんな勢いをコンパクトに濃縮し畳みかけるパフォーマンス。日本の近年のロック的なリファレンスを感じながらも、それをきちんと自分達のGROOVEにし、更新させて行く。自信というか迷いのない確信に満ちたライブを展開。シンガーズハイとJIGDRESS、それぞれルーツが異なる所もあるとおもうけれど、そうした事には拘らず、カッコよさをしっかりキャッチするフラットさにJIGDRESSのポップカルチャーに対する純粋な姿勢を感じる。そして2番手はmother。前回、3月にここDaisyBarでJIGDRESSと対バン。その日のピースでアッパーで、起伏の激しい(久々のそんな)バイブの打ち上げを経て、この日の出演が決定。ミドルで厚みのある激しいリズムとサウンド、そして山内彰馬のピースフル且つ力強いボーカルが会場を一気に包む(スティービーワンダーのTシャツが印象的)。音圧とゆっくり進むGROOVE感で、会場を圧倒。只音圧や音像で押し切るという事でなく技術力に裏打ちされたGROOVE。ラストの歪んだギターも圧巻だった。そしてトリはJIGDRESS。彼等の楽曲は緻密に積み上げられて作り上げらているものだけど、もうライブでは一気に飛べーって感じで、軽やかに弾けさせる。ライブではその爆音と速さを優先している様にも思える。もっともっと速く。もっともっと大きく。そんな、どこかに限界が来るのわかっているけどそうしなくてはいられない衝動。いろいろと窮屈な世の中ではあるけれど、この場だけでもお互い自由に楽しもう。俺たちも君たちもいつだって正しい訳ではないし、正しくなくてもいいけど、今、ここにいる君等は正しい。そんなメッセージを勝手に受け取った。そうしてリスナーとの信頼関係を築きながらライブハウスの空気感をしっかりつくりあげる。JIGDRESSって匿名性の高いバンドで、自分達がロックアイコン化することでは無く、キッズ達に向けて、君らが主役というパンク精神でやっているんだなというのもこの日のライブの流れの中で実感。どこまでも早くどこまでもデカい音で、拡大して行くしかないロックンロールバンドなんて、持続可能云々言われ、資本主義なんか詰んでるっていう昨今の世の中とは相性悪い。そんな変化の著しい世の中で、我々は新しさと引き換えに何をトレードしてきたのか。いつ停電するか分からない都市。携帯が二日も使え無くなる都市。劣化して行く都市。新しいといわれて来たシステムもアテにならない。結局ロックンロールも死にきれない。それでもロックロールもいつか死ぬ。でもトップガンマーベリック曰く、NOT YET。それはまだ今じゃないし、佐野元春曰く、ロックバンドにできることはまだある。その答えの一つがここにもあった。(加)