<BET IT ALL>
8/23(Thu)
The cold tommy / the twenties / TEENAGER SEX LESS /
コトリトワタシ
残暑と言うには暑すぎる夏が続いた2012年東京、夏。この日もまだまだ残暑厳しい中、集まった四組。世の中的には一連のロックフェスも一段落ついてロックリスナー的にも一段落となる様なタイミング、更に平日のイベント、でありながら、客足もまずまずで、このイベントの注目度を感じた。そんな中、トップで登場したのはコトリトワタシ。今年になりDaisyBarでガンガンライブをやって、メキメキと実力をつけて来ている四人組で、平気年齢はまだ二十歳そこそこ。いつもの様にseが流れ、 ボーカル以外のメンバーがステージに現れ、トベの雄叫びと、彼の掻き鳴らすギターと共にイントロが始まり、ヴォーカルのナリサワがステージ中央に駆け込んで来てライブスタート。初めて見た頃は、いろいろな彼等のルーツというか影響に忠実すぎるかなと言う面もあったが、ライブを重ねる中でオリジナリティーを発揮しはじめ、次々と出てくる新曲も王道ながら意外性もあって聴き応えあり。そして、ステージングも益々確信的に、且つ自信を感じさせるモノへと進化して行き、この日もこの錚々たるメンツの中で、堂々のパフォーマンスを繰り広げ、ライブ中盤戦では恒例となった山本リンダの「どうにもとまらない」のカバーを披露。このカバーも秀逸で王道のリフもカッコ良く、客席を更に盛り上げていた。そしてそこからラストめがけて一気にたたみ込むパフォーマンスでこのイベントのトップを見事に飾ってくれた。やはりこういうロックンロールバンドは、観ていて、聴いて気持ちいい。是非、ドンドン突き進んで旋風を巻き起こして欲しい。そして二番手は神戸よりTEENAGER SEX LESS。ここへ来て更に注目度と期待度上昇中のバンド。 その辺は本人達的には、あまり意に介していないような、いつもの様にある意味マイペースでクールに自分達の楽曲を奏でる様なライブではあったけれど、前回観た時よりも各楽曲の輪郭もハッキリと感じる事が出来、完成度も上がってきていたし、そして何よりバンドのGroove感が増していた。特に後半のクールな中にもエモーショナルさを感じさせるパフォーマンスで、そのバンドとしてのGroove感を強く感じた。この十代の子達が、こうしてNew Wave、80年代的な所をルーツにしているのも面白い。十代ならではの繊細さと、スター性も兼ね揃えた彼等が、今後更にどう化けて行くかが楽しみ。そして三番手は久々の登場のthe twenties。正直、一瞬強面に見えるビジュアルと、その彼等が発する音とのギャップに少し驚いたりする。彼等の奏でる音は芯が太く、とてもブ厚くGrooveしているのだけれど、ギター二本に、リズム隊と言う編成から聴こえてくる音は、どちらかと言うと、New Wave的なサウンドで、リズムも強烈なダンスビート。彼等のライブを観ているとギターってこんな音も鳴らせるんだなーなんて感心してしまう。そして、更にロックンロールがもつ強引さというか力強さをも兼ね揃えたライブは圧巻。数ヶ月前に観た時は、そのいろんな要素の絡み合いが、逆に器用貧乏では無いけれど、どっち付かずになってしまうのではないかなんて勝手に思ってしまっていたのだけれど、そんな心配無用の様で、その表現の幅を自由に広げている様にも思う。終盤はバンドの強力なGrooveとVo.Gタカイの力技的な煽りで、フロアを更に踊らせ終了。こちらも更に今後が楽しみなバンド。そしてこの熱い一夜のトリを飾るのはThe cold tommy。昨年一年の快進撃を経て、DaisyBarでは5月にTHE BLONDIE PLASTIC WAGONとの2マン、そして6月には彼等の自主企画マルトVol.3と、熱いライブを二ヶ月連続で成功させ、更にリスナーを増やし続けている彼等。そして、そろそろ新音源のリリースのアナウンスも間近かとういうタイミング。彼等の登場を待ちフロアのお客さんが更に前掛かりとなった所でメンバー三人登場。この三人が揃ってドカンと最初の音を出すと、もうそのまま一気にフロアも沸騰。その熱に押されて、更にバンドも熱を上げ、という形でドンドン会場の熱が上がって行く。昨年までは、なんだこのバンド、スゲー、という感じで徐々に彼等の音がフロアに伝わる様なイメージではあったけれど、もうこの一年で、彼等のライブの景色も良い意味で変わった。それだけ彼等のライブに対するリスナーの期待が高くなっていると言う事だ。この日もメンバー三人、三つ巴の強力なGrooveで、鉄板のパフォーマンスを見せつけ、終盤、更に加速し畳みかけるハズレなしの強力なライブで、この日のイベントを見事締め括ってくれた。この日、12月のワンマン決定も告知され(今回はDaisyBarではないのですが)、今年後半にかけてのThe cold tommyも更に目が離せない。と、言う訳で、四者四様のバンドが揃った一日ではあったけれど、この目まぐるしく変化するインディシーンの中で、更に起こり得る地殻変動と、そんな中でも変わらぬ芯、と言った様なものを体感し、今後を更に楽しみにさせてくれる一夜だった。(加)