LIVE REPORT

<Gold 69 Experienc>

6/09(Thu)

hotspring / The Doggy Paddle / The Mash

今年の2月、moll企画で久々に見たhotspringのLIVEがえらくカッコ良くて、と言うか、かなり進化していてビックリした(というと語弊があるかもしれないですが)。勿論、hotspring、前々からカッコ良かったけど、その更に先を行くカッコよさというか、何か一皮剥けたというか。ボーカル、ギター、ベース、ドラムというシンプルな編成で、それでいてキャリアも確実に重ねてきているバンドが、少し見ない間に、ここまで一気に進化するのか、と思った。やってる事が大きく変わった訳でもなかったし、具体的に何が変わったのか良く分からなかったけど、明らかに突き抜けた何かがあった。そして、その翌月もARIZONA企画でDaisyBarに出演してくれ、その時も、ロックンロールの高揚感をバシバシと感じさせてくれる パフォーマンスを見せてくれ、わー、これからのhotspringが楽しみ!、などと思った。そんな矢先の4月、ギター三浦の脱退が発表された。こちらから見ていると、絶好調でしかない様に見えていただけに、勿体なー、と言うのが正直な感想だった。そして暫くして、元死ぬまで生きるもんズの狩野がギタリストとして正式に加入する事が発表された。この止まらない姿勢というか、突き進む感じがまさにhotspringらしい。そうした流れの中で、新体制で是非DaisyBarでも、と言う事で、6/9、ロックの日に出演と相成った。そして、The Doggy Paddle、The Mashの2組も決定で、まさにロックの日に相応しい3組による3マンが実現。オープンからお客さんも入って、フロアも埋まり、まずはThe Mash登場。前回3月、ここDaisyBarで行われた自主企画は、キャラの濃い強烈なメンツを迎えて大盛況。そこで見せた渾身の体当たりなパフォーマンスも記憶に新しいのだけれど、この日、ボーカルのHALのMCで知ったのですが、なんとその日、彼女、LIVEのパフォーマンスで指を骨折したとの事。確かにあの日、最後のアンコールで、ギター弾けないと言っていた様な。この日も、そんな勢いそのままに、ステージ上を飛び跳ねながら、パンクロックナンバーを矢継ぎ早に投入。密度の濃い歌詞と、初期衝動や自分に正直であろうとする姿勢が、パフォーマンスと直結して、もう自然とロックを体現していると思う。そして最後に、このLIVEを以てベースのヒロトが脱退する事を発表。この脱退を物語化して、この日のLIVEを行 う事もできたと思うけれど、そうした事を敢えて避けつつも、リスナーに忠実であろうとする、このバンドらしいやり方だな、と思った。そうして、The Mashが湧かした会場に、二番手で登場はThe Doggy Paddle。こちらも、以前からライブパフォーマンスには定評あるバンド。そんな彼等も、ベースが脱退という状況があったりしたのだけれど、そこで立ち止まる事なく、逆に、ここ最近のライブは更に凄みを増し始めていて、この日もその勢いを見せつけた。決して派手なパフォーマンスではないけれど、彼等のステージ上での熱量と、そのサウンドの熱量は半端ない。MCになると、何故かグダグダになるのだけど、曲が始まると一気に目の色が変わるボーカルの恵守を見ていると、(良い意味で)この人は、唄、ロックが無いとダメかもね、というか、根っからロックの人なんだな、と思う。そんな所含め、その佇まい含め、まさにロックンロールバンドという感じ。そんなメーターを振り切って、オーバーヒートしな いと気が済まないと言ったパフォーマンスで、熱を存分に発しまくり、会場の熱をキッチリ上げるロックンロールを叩きつけた。そして、トリで登場はhotspring。まだ狩野が加入して数週間、3度目のLIVE、と言う事で(加入して数週間でもう3本もLIVEというのも、よく考えたら凄いけど)、まだまだこれからの部分も多いと思うけれど、その勢いは、これまでの勢いそのまま。更に言うと、もっと加速しているんでは無いかとも思う。その加速力で、分解してしまうのでは無いかと思う様な危うさもあったけれど、そこをねじ伏せて走り切る様なパフォーマンス。途中MCでイノクチが、ここ数週間でいろいろあったという様な事を言っていたけれど、まさにその急激な荒波を走り続ける事で切り抜けて、ステージに立ってい るというか、そんな感じ。そして、そんないろんな事をひっくるめて、ロックンロールで叩きつけて、きっちりと見せつけ、会場もそのパワーを受け止め盛り上がった。シンプルな編成で、唯々ロックンロールをする、それってやっぱりカッコイイな、と、この日のhotspringを見てあらためて思った。そして早速、この新しいメンバーで曲をガンガン作って、レコーディングしようと思う、と言う事も言っていて、ホントどこまでも走り続けるバンドだな、と思った。6/9、ロックの日、そこまで拘らなくてもよいかな、とも思ったけど、こうやってやってみると、日付けに相応しく、やっぱりロックンロール最高、と思える一夜だった。