<Ura Messiah>
10/17(Sun)
Rudo / 極東飯店 / toronto / アンジーモーテル / シンガーズハイ / ヤマトパンクス(PK shampoo)
この日は、下北沢に留まらず全国各地のバンド界隈で動き回る龍ノ平による企画イベント。その時々で立場や主体団体だったりは違ったりはしたけれども、これまで何度もここDaisyBarでも企画を行ってきてくれている。常にカッコイイバンド、アーティストを探し、見つけ、サポートし、リスナーと繋げるという事をおこなっている。こうしたイベントもそうした動きの一つ。いつぞやまだ彼と出会ったばかりの頃(内容あんまり憶えてないけど)気付いたら朝方お互い酔っ払って激論していたこともあったり、音楽やバンドやそれを取り巻く状況や、全般について考え続け、意見を持って発信できる人物。なので、話をしていてもいろいと楽しいし、刺激にもなる。今回もかなり濃い6組。前日にシンガーズハイとPK shampooのヤマトパンクスが解禁という、そこまでやるか!で盛り沢山。ヤマトパンクスに至っては2、3日前に呑みの席で出演決まった様で、そういう自由さも、この日出演のバンドとの信頼関係あるからこそ。そしてチケットも見事ソールドアウト。そうしたなかまず登場はToronto。SEはThe Libertines、TシャツはoasisのWhatever。そこから鳴らされる音は、The Libertinesともoasisとも違った重いギターリフと少し遅めのドッシリとうねるリズム。そこに乗せて唄われる文学的な言葉。以前はもう少し早い曲もやっていたと思うけれど、2021年の一つの気分を捉え、それをきちんと提示し聴かせてくれていたと思う。2組目は金沢からアンジーモーテル。舗装されてない道を、空気の抜けた自転車で激走するような凸凹のパンクロックでロックンロール。そんなの快適じゃないかもしれないけど、もうなんかこちらも気分が上がるアッパーさで爽快だった。そして、3組目は極東飯店。これまでの彼等のライブは、センス溢れまくりの音源のカッコ良さが、なかなかライブにまで落とし込めていない印象だったけれど、この日は、彼等のインディロックに対するナード感というか生真面目さというか、そういうモノとロックンロールバンド的な正直さとオラオラ感が見事にハマってライブバンドとしても一皮剥けた様なパフォーマンス。こういう極東飯店が見たたかったと思わせてくれるライブだった。そして次はヤマトパンクス。いつのまにかどこか知らない街に飛ばされている様なドラッギーな歌詞と、渇いているけど艶やかなエレキギターの音色、圧倒的な歌声。相変わらずなMCではあったけれどそうした所も含め短い時間であったけれど彼の世界と魅力を見せ聴かせてくれた。そして5組目シンガーズハイ。これまでのギターロックバンドの要素を取り入れつつもさらにそこを超えて行く様なギターのフレーズやボーカル。それらがめまぐるしく様々な表情を見せ印象的。バンドの今の勢いを感じさせるパフォーマンスだった。そしてトリは神戸よりRudo。もう佇まいからロックンロールバンド然としていてカッコイイ。そこで鳴らされるのは、60年代も90年代もそして10年代も通過してきた今のロックンロールだと思う。でももうロックンロールと言うことにもこだわっていないというか。ギターバンドの快楽、バンドやる気持ち良さをサクッと湿度なく聴かせるような痛快なインディロック。圧巻だった。こうして新しい世代のバンドを一気に見て、ゼロ年代の海外インディロックに影響を受けた15,6年前の日本のインディロックシーンを思い出したりもしたけど、そこから一周して、そことはまた異なった角度で彼等が鳴らすバンドサウンドが更に楽しみ。龍ノ平企画、今回もまた刺激な一夜となった。(加)