<リフの惑星pre. “Hello,my friend vol.5”>
12/18(Wed)
リフの惑星 / Baja / redmarker / TORO
カカロニ / ストレッチーズ / ヤーレンズ
DJ:hatsuki / 斉藤慎也(hiza)
2024年、師走に行われたリフの惑星企画イベント。リフの惑星、DaisyBarには何年も前から出演してくれているバンド。Vo.gのオガタリョウは、ソロでもDaisyBarに毎月の様に出演してくれているので、バンドでの出演が無いタイミングでも、その動向は目にしてきた。そんな端からみていてもリフの惑星にとって2024年は激動の年であった。2024年4月にオガタリョウを残し、当時のメンバー他三人が脱退。メンバーが脱退後の7月、正式メンバーはオガタのみという状況で、自主企画ライブを開催。その際のサポートメンバーが現体制のメンバーに繋がってゆく形で、10月には正規の新メンバーを迎えた新体制でDaisyBarで初ライブ。そして、この12月には新メンバーでの新曲をリリース、そして企画開催。と、まさに目まぐるしく激動、激変の一年。更に7月の企画を前にオガタがアキレス腱を切るというアクシデントにまで見舞われ、体力的にも厳しい状況が続いたなかで年の瀬にこぎ着いたこの企画。彼等の強い思いが存分に詰まった内容となった。リフの惑星をはじめとするインディロックバンドは勿論、テレビや各お笑い賞レースでもお馴染みの芸人さんや、DJと盛り沢山。こうしたカルチャーを横断し、更に最先端を行く顔ぶれを揃える彼等の(主にブッキングを担当したオガタの)興味とインプットの幅広さと行動力にも感服。ただ私個人としてはDaisyBarをはじめた当初(二十年ほど前)から、お笑いとバンドを組み合わせたイベントをいくつかみて、お笑いとロックって、それぞれが上手く混ざらないなーというか、食い合わせ悪いなーとういう印象を持つ事が多かった。それなので、当初この盛り沢山な形でどうなるのかな、と不安に思ったのも事実。けれど、実際蓋を開けてみるとそんな心配は無用だった。フロアーがすっかりバンドモードで盛り上がった後、登場した芸人さん達のライブ感が凄まじかった。特にヤーレンズの引用のチョイスと言葉のリズム感、現状把握能力。それらを駆使して一気に会場を自分の物にしてしまう感覚。これは優れたロックンロールバンドが今までやってきた事だった。そういった意味でひと昔に私が感じたお笑いとロックバンドのリズムのズレという様なモノはなく、しっかりとイベントがGROOVEしていった。そうした中で最後、トリで登場したリフの惑星(スペースの関係で全アクトに文字数を割けずスミマセン)。Vo.gのオガタリョウ、Ba.中所靖子、Dr.かまだあき、の正規メンバーにサポートにキーボードを加えた編成。以前はギター2本、リズム隊という4人体制だったので、ギターが減り、キーボードがそこに加わる形。それでもギターサウンドをしっかり聴かせつつ、リズム隊の堅実且つ柔軟なGROOVE感も加わり、ギターサウンドとGROOVEで駆け抜けるインディロック然とした部分はきっちりと残しオーディエンスを揺さぶってゆく。そこにキーボードが入ったからこその新たな表現も加わり壮大さも感じさせる。インディロックバンドであることをしっかり意識しつつそこに捕らわれない柔軟性も彼等の魅力。試行錯誤の部分も多いけれど、これまでの良さに加え、あらたな魅力も加味され、きっちりと次のフェーズに突入した事を印象づけるパーフォーマンスで、このイベントを締め括った。彼等の新たな節目に立ち合おうという感覚でいたであろうオーディエンスからも、最終的にはイベント全体を楽しみ、リフの惑星のライブをしっかり堪能したという充実感がただよっていた。やはり良いイベント、パーティは全体のリズムが良い。そこがイベントのGOOD VIBRATIONに繋がって行く。この日の出演者、お客さんをみて、そんなことを再認識。多ジャンルな出演者のリズムを見極め、演出し、まとめきれるリフの惑星の大きな意味でのそのセンスとリズム感もお見事。そした部分も含め今後に更に期待。(加)