LIVE REPORT

<輪廻 pre. 「星を渡って」>

7/07(Thu)

輪廻 / ORCALAND / 茉莉花 / ライティライト / tambi

輪廻企画ということで、今回は輪廻のライブをレポート。輪廻がDaisyBarに出始めたのは、まだ彼女達が高校生の頃。それぞれ学校も異なるメンバーが集まって結成されたとの事で、当時の他の同世代のバンドの中でも特異な成り立ちで少し驚いたのを記憶してる。そうして彼女達がDaisyBarに出始めて行く中で、受験があったり、コロナ禍が始まったり、ということはあったけれど、マイペースというか、きちんと自分達のペースを維持しながら、コンスタントにライブを重ねていて、そうした期間でも活動が止まっている印象はなかった。この2年、どのバンドにとっても、厳しい時期だったと思うし、彼女達にとってもそうだったと思うけれど、そうした中でも、彼女達のライブは自由で軽やかに見えた。そうしてライブを重ねて行くなかで、演奏力もライブパフォーマンスも観る度に向上して行き、そのスピード感にも驚かされた。そうやってライブハウスで実力をつけて行って(勿論彼女達の努力もあって)、それが、フェスでのオープニングアクトなどにも繋がって行ったとも思う。そうした流れを経て、七夕、DaisyBarでは昨年10月に続き二回目の彼女達による自主企画。と、いう事でこの日のライブもそんな輪廻の魅力満載。七夕にちなんで、夢や、願いごとがキーワードになりライブが進む。その七夕にちなんだ演出の中で、ライブ中盤で全国流通盤CDの発売、そのリリースに伴うインストアライブツアーも発表し、その新譜からの新曲を披露。その楽曲もこれまでの輪廻の良さを凝縮した様なパワフルで元気のでるポップソング。そうした新曲に呼応するかの様にこれまでの楽曲もどんどんブラッシュアップされて表情豊かになって行く。本編ラストの新曲では三人がそれぞれソロボーカルを取るパートから三人が声を合わせて唄うという、こういう輪廻も見たかった!という楽曲も。これまでも観る度に成長、進化を続けてきたバンドだけれど、この日もまた超最新型の輪廻をがっつりみせてくれた。バンドで夢を叶えるというのが、音楽業界的に云々とかそういう話をしだせば、難しかったり、現実的ではないという話になりがちである。そうした中でも彼女達はしっかりとバンドで夢をかなえたいと言い切るし、そこに向かって着実に一歩一歩進んでいる。彼女達の現状認識も決して楽観的なモノでもないと思うけれど、そこを踏まえて軽やかに行動する、そこがカッコイイ。自分は怪我をしたくない、絶対間違えたくないし、ある筈も無い正解だけをチョイスして行きたいという(ホントその気持ちは充分わかるけど)そうした風潮を尻目に彼女達は、猛然と突き進む。正解を選ぶのではなく、正解というかその状況を自分達で引き寄せるしかない訳で、そこを星に願いを託しつつも、キチンと一歩一歩、歩みを続ける。そんなカッコ良さと、変にエモくもならないポジティブさが溢れている。そしてこの日アンコールで披露された「バンドマンきらいかも」は、更にそうした彼女達の批評性を爆発させたというか、バンドマンでなくてもグサグサに刺さすであろう殺傷能力。もうホント痛快。彼女達がやってきている事は、ほんとロックンロール、ロックバンドの王道だと思う。その王道をゆけるバンドが少なくなっているのも事実。だからこそ、めんどくせーこと投げ倒して進む輪廻の快進撃がこれらから益々楽しみ。(加)