2014.04 APRIL
2014/04/24(thu)
<DaisyBar 9th Anniversary〜BET IT ALL SPECIAL〜>
クリープハイプ / 新世界リチウム / THE COKEHEADS
DaisyBar 9周年と言う事で実現したこの企画。この一週間前にクリープハイプは、SOLD OUTさせた武道館2DAYSを見事成功させたばかり。その一週間後、武道館の次にクリープハイプが立ったステージがここDaisyBarというのは、言葉には言い尽くせないけれど、本当に凄い事だと思うし感無量。そしてこの日の対バンがTHE COKEHEADS 、新世界リチウムという、皆それぞれお互いに昔知ったる面々が揃ったのも嬉しかった。と言う事で、当然の様に超満員に膨れあがったDaisyBar。まず登場したのがTHE COKEHEADS。この日までクリープハイプ以外の出演バンドの名前は伏せられており、そんな中でのTHE COKEHEADS 登場。ボーカルのえびが、「俺たちの事知ってる?」などとお客さんに語りかければ、会場からリアクションも良く、更に音が鳴れば、そのパフォーマンスにフロアも揺れ、お客さんもシンプルに音を受け止め、楽しんでいるのが伝わってきた。その後も、えびの半分自虐的なMCもありつつだったけれど、最後にはワッショイと会場を盛り上げてしまうあたりは流石。そんな自虐的なMCですら、彼等のキャリアに裏付けられた自信があったからこそだったと思う。また、そんな言葉の端々から、クリープハイプとの関係性を垣間見れてよかった。そして、次に登場したのが新世界リチウム。彼等ともかなり昔からの付き合いで、ベースの千葉が以前在籍していたバンドでDaisyBarに出ていた時、まだ十代で、当時DaisyBarに出ていたバンドの最年少くらいな感じだったかも。その千葉の「今夜はクリープハイプの武道館の打ち上げですよ!」と言う言葉と共に、会場も一気に沸いて、そのままライブ突入。一年振りに見た彼等のライブは、更に骨太になっていて、かと言ってドッシリという感じでなく、筋肉質なシャープさを感じさせ、精神的にもタフになっているというか、凄く大人の余裕を感じた。これも数多くのライブを重ねてきた結果なんだと思う。DaisyBarによく出演していた頃の、初期の楽曲も聴けて満足。MCも、クリープハイプ、尾崎世界観のことをよく知るメンバーだからこその雰囲気でよかった。そして、この日トリを務めるのはクリープハイプ。セッティングが完了して客電が落ち、暗くなったステージに、するりと四人が登場。ステージが暗かったのと、あまりにさらりと登場したので、お客さんが、メンバーがステージに登場したのを気付くのに、時間がかかったのもあったと思うけれど、バンドが登場した時の会場のリアクションが薄いといって、再度、入場をやり直したりと、ある意味アットホームな出だし。そして、一曲目、<HE IS MINE>のベースラインが鳴りだすと、もう一気にフロアも沸騰して、ガチンコライブモード全開。尾崎がモニターの上にのって低い天井に手をかけて、フロアを煽るシーンもあったりもした(こういうシーンは、なかなか大きな会場では観られないです)。武道館でも披露されていた、超攻撃型の移籍に関わるラブソングも続け様に披露。クリープハイプの凄さというのは、素晴らしいポップソングと共に、こうしたロックの本質の様な楽曲がある事だと思う。前にも少し書いたのだけれど、別にホントの事を言っただけなのに、只、あたりまえの事をしただけなのに、もしくは只のシャレなのにが、本質をつき、尚且つそれが、普遍性と時代性を持つが為に注目を集めてしまうという、本当に時代というかロックに選ばれてしまったバンドだと思う。只の愚痴や悪口なのではなく、ロックミュージック、ポップミュージックとして、きちんと昇華させられる力を持っているからこそだと思う。それをきちんと引き受けているバンドであるとも思う。武道館のライブを観た時も思ったけれど、この日のライブを見ながら、ホント彼等がやっている事は、ずっと変わっていないなと思った。このDaisyBarで何年も前からやってきた事を、様々な状況の中でその都度戦いながら、進化させたりしながら、やってきた結果が、今、だと思う。この日、尾崎がMCで、昔、なかなか埋められなかったこの場所を、こうして帰ってきてパンパンに埋められる様になった事が、武道館でやったことより嬉しい、と言う様な事を言ってくれて、凄く嬉しかった。そしてこの日、本編最後の<愛の標識>も最高に感動したし、アンコールの最後にやった<週刊誌>も、DaisyBarでよくやってた曲でもあり、その前のMCからの流れと歌詞含めで、凄くよかった。武道館を経てのDaisyBarでのライブを観て、クリープハイプのやっている事は、日本のロックバンドのロックドリームの王道なんだとあらためて思った。そして、そうしたロックの歴史へのリスペクトも強く感じる。只、それを体現し、やってのけるバンドは少ないし、この2014年に、こうしてそれを実現しているクリープハイプは、シンプルにカッコイイと思う。そして、我々もまた頑張ろうと思わせてくれる素晴らしいライブだった。(加)