2010.11 NOVEMBER
2010.11.5(金)
<DaisyBar Autumn Fes.2010〜ヒロ企画“嘘が本当になる日 vol.
3”organized by太平洋不知火楽団+DaisyBar>
太平洋不知火楽団/andymori/神さま/テングインベーダーズ/
オワリカラ/SEBASTIAN X
前回、今年の1月に行われたヒロ企画。前年末に既にヒロは亡くなっていたので、その時既に企画者であるヒロはいなかったのだけれど、出演者の協力と何よりヒロのよくわからないパワーによって多くのお客さんと供にイベント自体成功させる事が出来た。その日の打ち上げの際、お酒を飲みながら、太平洋不知火楽団の笹口君はじめその日その場にいた人達、誰と無くこの企画また続けてゆきたいねーという話をした。それから今年の梅雨頃に、太平洋のメンバーと久し振りに話す機会があり、その時にヒロが好きだったバンド達みんな頑張ってるね、ヒロの見る目は確かだったね、何て話しをしながら、再度またヒロ企画やりたいね、と言う話をして、今回、太平洋不知火楽団とDaisyBarでヒロの企画を引き継ぐカタチで動き始めたのが今回の企画。
実際、ヒロの様に毎日LIVEに行きながら半強制的にブッキングする訳にもゆかないので、なかなか太平洋のみんなも大変だったと思うけれど、太平洋不知火はじめ出演者の協力で今回最終的にこの様な豪華なバンドが揃った。ホント、ヒロのパワーだと思う。と、言う訳で当然の様にチケットはSOLD OUT。OPENと同時から多くのお客さんが駆け付けてくれ、まずは、太平洋不知火楽団、笹口君より本日の企画についての前説。そして一曲弾き語りを披露した後にヒロが作ったという曲も披露。シンプル極まりないけれど、だからこそ核心突いちゃっているヒロらしい歌詞だった。そしてトップ、ヒロ企画前二回ともトップを努めてくれた神さまのLIVEへ突入。相変わらず、ローファイなサウンドに乗せて、シュールに毒を吐く神さま。いつもながら自らシュールでアウェーな空気感を作り出しつつ、最終的に何となくホンワカさせる毒と愛の入り混じるステージはこの日も健在だった。 そして二番手はオワリカラ。前回7月に観た時から、更にまだイクのかと思う程にLIVEパフォーマンスも上がっていて、 ヒョウリ君のこの天井の低いDaisyBarで、これだけ上下に動けるものかという位のジャンプもあり、新曲も披露もありで、ホント圧巻のステージで早くも会場をピーク状態にもって行った。そして三番手テングインベーダーズ。彼等独自の間合いとキャラクターで転換の際から独自の空気感を発しつつ、演奏が始まれば一気に満員のお客さんをグッと引き寄せるLIVEはさすが。更に会場のボルテージを上げ、踊らせた。そしてお次はこの日の仕切り役でもある太平洋不知火楽団。この日はガバッと勢いで押して行くのは無く、重い楽曲が多く、MCでもバンド的葛藤を語ったり、そこに何となく着地点もあったような無いような、でも演奏は熱いという、彼等のいろんな意味で交わらない感じを淡々と熱くやる感じが、何か非常にクールでカッコよかった。そしてトリ前に登場したのは、SEBASTIAN X。太平洋とSEBASTIAN Xは調度二年前のヒロ企画にも出演してくれていて、そこからヒロ企画皆勤賞。そうした長い付き合いもあって、昔の曲中心でのやります、という内容のLIVE構成で、今回の企画に出演するにあたっての複雑な気持ちも正直に語ってくれつつも、満員のお客さんを完全にSEBASTIAN Xの世界に引きずりこむ、堂々としたパフォーマンスは感動的だった。
そしてトリはandymori。一曲目クレイジークレイマーから、一気にどどっと駈け抜けるステージ。いやホント名曲揃いで、何か凄くあっという間に感じたステージだったけれど、アンコールにも応えてくれて、かなりたっぷりと見せてくれた。途中MCでヒロ企画、ずっと手続けます宣言もありで、ホント、ヒロは愛されてたんだなと思った。終わってみればヒロ企画ならではのボリュームで5時間にも及ぶ長丁場の濃密なイベントとなった(遠方からの方は、終電も気にしなくてはならない時間で、申し訳なかったです)。 本当は、ヒロの企画を引き継ぐって、本人もいないのに勝手やっちゃって良いのかな、と、思わなくもなかったけれど、言葉は正確に覚えていないのだけれど、最初この企画の話しを笹口君とした時に、笹口君が、ヒロのこと忘れない様にやりたいといった様な主旨の事を言っていたので、それだけで理由としは充分かなと思ったし、結果バンドも皆それに応えてくれたし、やはり最終的には小山田君が言う「ロックキッズの代表」みたいなヒロの人徳であったと思う。勿論、今回は、たまたまこのメンツに落ち着いたというだけで、ヒロの企画にこれまで出てもらったバンドやゆかりのバンドも沢山いるので、また機会を見て是非やりたいと思った。今回、出演してくれたバンド、長丁場お付き合い頂いたお客さん、イベントを仕切ってくれた太平洋不知火楽団、そしてこんな素晴らしいバンドを紹介してくれたヒロに感謝。(加)