DaisyBar

LIVE REPORT

2012.6 JUNE

2012/06/25(mon)<BET IT ALL〜VERONICA レコ発〜>
VERONICA(ベロニカ) / The next! Liddell 1974 /
アタリマエダノクラッカーズ / 萌里(TEENAGER SEX LESS) /
コトリトワタシ

 昨年の6/9、ロックの日に行われたロックンロール新世紀で、東京ライブデビューを飾ったVERONICA。それから、早一年。ではあるけれど、まだ一年しか経ってなかったのか、というのが個人的な印象。昨年の11月には、N'夙川BOYS、女王蜂という強烈な面々と3マンを行ったり、DaisyBarでも何度も密度濃いライブを見せてくれ、短期間で変化し、進化してきているバンド。
この日は、そんなVERONICAが、満を持して放つアルバム「序章」のレコ発イベント。平日、週の始まりの月曜にも関わらず、開演時間の19:00にはフロアはかなりの人。そして19:00、突然ではありましたが、急遽、青森最後の詩人ひろやーが登場。すっかりおなじみとなった、オリオン座の下でー、を披露し、多分初めて観るお客さんも多かったと思うけれど、一気にその世界に引きずり込んでおりました。ひろやーの約10分程に渡る、オリオン座の下でー、な演奏に続いては、この日の本来のトップ、コトリトワタシ。そのVERONICAの東京デビューとなった昨年の「ロックンロール新世紀」には、まさにお客さんとして参加していたという彼等。一年経って、こうして、VERONICAやThe next! Liddell 1974と対バンが実現した事に感慨深いものや、ある種プレッシャーもあったと思うけれど、平均年齢二十歳、今年になって、ライブの本数を重ねて行くなかで培ってきた、フレッシュで勢いのあるパフォーマンスを、このステージに思い切りぶつけておりました。まだまだ、拙く感じる部分もあるのだけれど、この日の後半演奏された、山本リンダの「どうにも止まらない」のカバーからダイナミックに一気に畳みかけるロックンロールは、彼等の持つ潜在能力の高さと、そのGROOVE感を見せつけるモノで、これからの彼等に更に期待。そして、次は、今年3月、DaisyBar出演の際も注目度の高かったTEENAGER SEX LESSのVo萌里による弾き語り。この日は、短めのセットではあったけれど、彼女のその浮遊感のあるVocalがとても印象的で、バンドとはまたひと味違った、ソロならではの説得力を持ったパフォーマンスを見せ、彼女のソングライティング力の高さもあらためて印象づけるライブだった。そして次はアタリマエダノクラッカーズ。The White Stripesと同じ編成の2ピースバンドで、突如として現れたかの様な二人ではありますが、当然ご存知の方も多いとは思うけれど、僕個人、彼等のライブを4、5年前たまたま別のライブハウスで目撃して、衝撃を受けたのを憶えております。そして暫く名前もあまり見ない時期があったのですが、アルバム発売という事で、最前線にふたたびやって来た二人。元ネタは80年代あたりが多めですが、昨今の音楽もきっちりとフォローしている感じが時々垣間見えたりもします。多分初めて観るお客さんも多く、最初どう受け止めてよいか戸惑っていた感じは無きにしも非ずでしたが、ステージ上の二人はそんな空気もお構い無しに、ズブズブ進む感じがまた楽しかった。尾崎世代の僕は、二十五の夜がツボでした。そして、イベントも終盤戦へ。フロアのお客さんも更に増えてきて、トリ前はThe next! Liddell 1974。ここ最近、ライブの形を少しづつ変化させている彼等。かなりナチュラルになったMCも含め、良い意味で肩の力が抜けているというか。それでいて、パフォーマンスは更にぐんぐん良くなっている。きっとそれぞれの楽曲に対する自信の現れでもあるかと思う。この日も最初から最後まで、The next! Liddell 1974ワールドを展開。きっとこの日彼等のライブを目撃して、また明日も頑張ろうと思った人も少なく無いだろう。そんな快心のパフォーマンスだった。そして、この日のトリVERONICA登場。以前の様な、世界に中指立てて、という感覚から、世界に違和感をもちつつも窓を開け放った様な風通しの良さがあって、そんなポップさが詰まったライブだった。MCでも変化すると言う事に対してミックが話していたけれど、変化する事を受けいれ、こういうポップさも持つ事で、バンドとしての自由度は増した気がする。アルバムタイトルではないけれど、まさにVERONICAの序章という事で、この新しいアルバムと共にはじまるVERONICAの、新しい物語を更に楽しみにしたいと思う。イベント自体もバラエティー富む内容ではあったけれど、なにかVERONICAの持つ求心力に集約してゆくそんな一夜だった。(加)