DaisyBar

LIVE REPORT

2011.5 MAY


2011.5.13(金)
<ATOMIC SODA>
クリープハイプ/タニザワトモフミ/Droog/Veni Vidi Vicious

この日はクリープハイプ、Veni Vidi Vicious、タニザワトモフミ、Droog、と言う四組。ブッキングというか一日のイベントと言うのは、いろんな要素やタイミングが重なって出来上がって行くのだけれど、最終的にこのタイミングでこの四組の顔合わせというのは、DaisyBarでなければ実現できなかったではなかろうかと自負。とは、言ってもこれは、出演を快諾してくれたバンド、そして何よりかけつけてくれた多数のお客さんがいたからこそ言える事。ほんとうに感謝。そして結論から言うとこの日は、それぞれのバンドのロックというか、音楽というか、表現とかアウトプットの仕方というか個性が四者四様で、それがよい意味でぶつかりあって、そして、それぞれ形は違うのだけれどみな素晴らしい ロックスターだな、と思ったというか、四組とも純粋にカッコ良いなーと思った。そんな一日だった。
と、言う訳で、そんな一夜、オープン前からお客さんが並んで開演前に既にフロアは満員状態。 そして客電が落ち、いつものSEと共に薄暗いステージに Droogのメンバー、まず三人が登場。と、いう訳でこの日のトップを飾るのはDroog。メンバーが各楽器をスタンバイし一曲目の「人類」のイントロをドカンと鳴らしたと同時にボーカル カタヤマがフロントに向かって駆け上がり、叫び、DroogのノンストップライブSHOWのスタート。フロアも一気に沸騰。天井の低いステージを縦横無尽に駆け抜けるライブパフォーマンスはいつもながら圧巻。当然演奏もガッツリとgrooveして行く。一年半くらい前に初めて彼等のライブを観てド肝を抜かれたけれど、ホント観る度に進化していると思う。この日も一気に矢継ぎ早に曲を繰り出すアッと言う間の30分弱。ホント圧巻だった。この日、中盤で初めて聞いたミドルテンポのブルージーな「アハハ」と楽曲も彼等らしくもありつつ、新たな側面を聴けた気もした。詞も良かった。ホント次のアルバムも楽しみ。そんな怒濤のDroogのライブが終わり、転換中、何故か店内のブレーカーが落ちるというハプニングもありつつ、異常なしを確認し、二番手はタニザワトモフミ。バンドメンバー含め、みな鳥の被りものをして登場。初めてライブを観たけれど、バンドの音も含め、洗練されていつつもその音の中に毒がちりばめられている必殺のポップミュージック。そんなポップさ全開させつつ「くたばれJ-POP」という楽曲もあり、ストレートでありつつ屈折しているというか、ポップでありロック。そして、最後の楽曲では一転、怒濤のオルタナモードに突入と見応えというか聴き応えありで、そんな彼の芯の強さというか
ポップミュージックに対する真摯な姿勢を強く感じるライブだった。
そして、三番手はVeni Vidi Vicious。よく考えたら、2009年末にして出演して、その後、年明けに休止して、 それ以来の満を持しての復活初登場。ホント待ってました。とは、言っても昨年11月に突如二人で弾き語りで現れてから、弾き語りだったり、なんだったりでよくDaisyBarに顔を見せてくれていたので、久しぶりという感覚も無かったのもあるけれど、あまり必要以上のドラマチックさも無くさらりと帰ってくるあたりが彼等らしいと言えば彼等らしい。セッティングが終わりそろそろ始まるかと思った頃、そして突如Yeah Yeah Yeahのイントロ!と思ったらサウンドチェックだった。そしてサウンドチェックも終え、久々のVeni Vidi Vicious。一曲目cosomoのイントロでスタート。フロアも盛り上がる。バンドのテンションも一曲目から良かったと思う。そして、そこから先は、今回 出たアルバム“9stories”と更にそこにも収録されてない新曲だけでライブを構成。それでもフロアの温度は下がる事なく、楽曲とバンドの力と、あとはMC含めの雰囲気でグイグイともってゆくVeni Vidi Viciousのいつもの感じ。全く聴いた事の無い新曲もカッコよかった。この日内田裕也氏が逮捕の報道があってせいかはわからないけれど、ノリというか流れでこれがロックだ、的なMC のあり、そこから(記憶が曖昧なのですが)ビジネスソング、good dayとやって、どちらもミドルのメロがきれいな楽曲で、その辺の終盤の流れが個人的にこの日のveniのハイライトでもあった。ホントveniが帰って来た!と確信させてくれるライブだった。
そして、トリはクリープハイプ。超満員のお客さんも彼等の音が鳴るのをじっと待ち、一瞬の息を呑むような静けさから一曲目「リグレット」に突入。客席もバンドのリズムにあわす様に揺れ、ライブが進むにつれ、もう完全にクリープハイプのペース。そして中盤に演奏されたアッパーなリズムの「週刊誌に 書いていた女がやりたくなる台詞」という歌詞が刺さる「週刊誌」も久々に聴けて嬉しかった。そして重いリフから「ハチミツと風呂」へのなだれ込み、最後「He is Mine」へと、もう貫禄の展開。「He is Mine」でのブレイク箇所もすっかりお馴染みになった感もあり、盛り上がりをみせ本編終了。そしてアンコールにも応え、この濃い一日を締めてくれた。クリープハイプ、3月から三ヶ月連続でDaisyBarに出演してくれていて、その三ヶ月間だけでも、更に多くの人に彼等の音が届き始めているのを実感。何か大きなメディアへの露出があるわけでも無いなかで、これだけ広がっているのは、ホント凄いと思う。そして三ヶ月で三回 観たライブで選曲もそれぞれ異なり、音源化されてないモノ含め名曲たくさんあるなとあらためて思った。と、言う訳で、ホント異色の顔合わせではあったけれど、終わってみれば冒頭で書いた様に、 四組それぞれの良さ、キャラが際立ったイベントだったと思う。ホントこれからドンドンいろいろ面白くなってゆくと思う。(加)