2011.2 FEBRUARY
2011.2.22( 火 )
<YOUNG ALIVE>
ザ トーキンバウチューズ / GLIM SPANKY / THE PINBALLS / J.O.E
ライブハウスとかイベントとか言うのは、どうなるのか、何が起こるか分からないというのが、醍醐味だったりする。とはいっても、色々なルールだったりもある訳だから、何が起こるか分からないというのは、そんなに何か目に見えて事件が起こるという事でもなくて、その日、色んな要素が組み合わさって、そこにいた人達には分かる様な、ちょっとしたミラクルが起こっているのかもしれないという事。 The next! Liddell 1974 の小暮君の MC ではないけれど、たまたま、ここに紛れ込んで、出会った人達の間で偶然起こる何か。振り返って見るとこの日のライブも ( 大袈裟に言ってしまうと ) そんな一夜になり得る様な夜だったと思う。
この日のトップは J.O.E 。音源を持ち込んで来てくれたバンドで、この日が DaisyBar 初登場。平均年齢二十歳の男 4 人組。ツインボーカルで、どちらもギターを弾く。と、言う事はツイン Vo.G(?) と言うのかな。客電が落ちて、まさに、という感じで、ローゼズのベギング・ユーを SE に登場。最初音源を聴いた感想は、ブリットポップとか、 90 年代のマンチェスターとか好きそう、と、簡単に言ってしまうとそんな感じ。で、そして実際演奏を観て、正直ビックリ。二本のギターが絶妙に絡み合って、もの凄く乱暴に言ってしまうと、何かローゼズのセカンドの頃のジョンスクワイアーが、 1st の頃の RADIO HEAD に混ざっちゃった様なそんな曲もあったり、二人ともボーカリストとしても力量ありながら、更にギターも弾けちゃうと言う、シャーラタンズのティムがジョンスクワイアーばりのギターを弾いちゃうみたいな。どれも例えが古くて更に大袈裟な気もするけど、ホントそんな風に思った。 30 分ライブを通してのトリップ感は、アシッドな感じというよりは、ある意味天然な感覚。初見という事もあったけれど、次々に繰り出されるアイデアというか感覚にちょっと驚かされた。そういう意味ではビギナーズラック的な部分もあったかもしれないけれど、彼等のパフォーマンスで今日は一筋縄では行かないな、という空気が会場に漂ってきたのも事実。
そして、二番手は THE PINBALLS 。シンプルな 4 ピースのロックンロールバンドではあるけれど、並み居る強豪を押し退け、全国 TOWER RECORDS でのシングル発売を勝ち取った彼等だけでに、その実力は、保証付き。ロックバンド然とした、タイトなダンスビートで踊らす曲は、どこまでもロックでカッコ良く鳴らすし、メロウでキャッチーなミドルナンバーは、ポップで情緒深く表現するし、各楽曲ホント完成度高い。途中、曲間とかで、ゆらっとする様な所もあるのだけれど一旦曲が始まると、ホント一気に持って行く。セットリスト後半に演奏されたボーカルの良さを存分に引き出すポップなミドルテンポのナンバー二曲で、会場を完全に自分達の空気に染め、 THE PINBALLS 終了。
そして次に登場したのが GLIM SPANKY 。 DaisyBar に出演したのは三回目だけれど、毎回ホント素晴らしく緊張感ある、集中力あるライブを見せてくれる。彼女達が一旦ステージに立った時に漂う独自の緊張感というか、その存在感とか、ホントグイグイ引き込まれて行く。バンドとしての GROOVE 感もドンドン増して来ているし、ホントある意味ロックの王道的なバンド。この日観たライブから、彼女達が、若いながらも、確実にぶれない軸を持っているという事を強く感じた。
そして、トリは、ザ トーキンバウチューズ。 4 人組で、リズム隊に VoG 、 KEY という珍しい編成ながらも、ゴリゴリのガレージロックを鳴らすバンド。楽曲によっては、 Vo.G の中馬君が、ギターを弾かないで、リズム隊+ Key というだけのアレンジの楽曲もあるけれど、乾いたアメリカの南部を目指す様な、そんな感覚が逆に新鮮で、独自のブルーズを奏でようとする彼等の心意気を感じさせる。この日のライブでも、ロックの女神に振り向かれなくても、ロックに片思いで構わないと言った様な MC が、彼等のロックに対するスタンスを表していたし、それが真っ当な姿勢だったりするとも思った。そんな彼等の熱いブルーズが、ラスト爆発し、濃い内容の一日を締めくくった。
ホント、いろんな化学反応が起こった一日だっと思う。只、やはり、これだけのクオリティーのバンドが揃っているので、自戒の念も込めつつ、もっと多くの人に観て欲しかったと思う。目撃する人が少なくては、ミラクルにはなり得ない部分も、絶対にあると思う。毎夜の様に、この地下では、こうした化学反応が起こっているので、皆さん是非 ! 。 ( 加 )