2006.7 JULY
2006.7.9(Sun)
<Hey Now!>
The next/THE BUGGY HOLD JIVE'S/THE HEARTBREAK KILLERS
「自分は人と違うのか?」「自分が狂っているのか?世の中が狂っているのか?」
「そもそも常識って?」みたいな問いは、誰もが十代だった頃自我を形成して行く過程で持つものだと思う。ましてや、ロックを聴いて衝撃を受けたり、ステージの上で楽器を弾いて、がなりまくったりする様な人達は尚更そういう事を強く意識している筈だ。
まだ家の中に強い頑固オヤジがいた時代には、「権力」も「体制」も分かりやすくあって、だからこそ「反体制」や「反権力」が、表現としてもロックとしても成立しやすかったと思うけど、バブル以降「そういう意見もあるよね」的に、権威も何かも真っ平らになってしまった現在に於て、以前の様な「反(アンチ)」が有効な表現として成立し難くくなっている事は、誰もが分かっている筈だし、この前提が無い表現は個人的に退屈だ。
一昔前ライブハウスへ行くと「親を大切にしよう」とか「仲間を大切にしよう」みたいな歌詞を唄っているバンドがやたら目について、暗い気分になった時期があったけど、良心的に解釈すれば、カウンターカルチャーとしてのポップミュージックがそういう当たり前の事を言わなければならない程、世の中の価値観が揺らいでいるって事だ。
ニュースをみれば親と子が殺し合い、単なる株屋が革命家だと持て囃される。こんな世の中で「狂っているのはどっち?」と問うてみても益々訳が分からなくなってくるし、こういう時代に有効な表現ってどんなもんなんだろう何て事も益々考え込んでしまう。
そんな時代にThe nextは、世の中との違和感を隠そうともせず、剥き出しの自分を晒しながら「狂ってるのはどっちなんだ?!」と、ステージの上から(ステージの下にいることも多々ありますが)聴き手に詰めよりつつ、更にそこにいる全ての人とkissしようとしてる。そしてこのまったりとぬるーい世の中の空気をざっくりと切り裂いて行く。
実際本人達はどう思っているかは分からないけど、この日のThe nextのライブは、僕にはそう見えた。この日出演したTHEHEARTBREAK KILLERSもTHE BUGGY HOLD JIVE'Sも、相当レベルの高いライブをみせてくれたのだけど、一番手だった The nextが濃密すぎた。
この文章、ライブレポートとして成立しているかも、此処にこんな事書いて良いのかも疑問だけど、それでもついつい書かかせてしまう、ロック的初期衝動を刺激するライブだった。かなり煽られてるな。(加)