2026年5月22日
ちゃくら 下北沢武者修行&侵略大作戦 THE FINAL
“インディーズ THE FINAL”
ちゃくら【ONE MAN】
ちゃくらがDaisyBarに初出演したのが、2022年12月。たまたまネットで「海月」の音源を聴いて、DaisyBarに出演して欲しい!と思い、即座に出演オファー。かなり急なスケジュールでのオファーだったいも関わらず出演してくれたのが始まりだった。それが彼女達にとっては2回目のライブだったと記憶してる。いずれにせよ、まだライブ経験も浅い中での出演。それから明けて2023年、コンスタントにライブを重ねDaisyBarにも毎月出演。力を付けリスナーを増やして行った。そんな2023年に彼女達が行ったのが、下北沢の五つのライブハウスを五日間連続で巡り企画を行う 「下北沢武者修行&侵略大作戦」だった。そして今回2026年、ちゃくらのメジャーデビューを前に、インディーズ時代、力を蓄えてきたこの下北沢で、ふたたびその企画を「THE FINAL」として開催。更に、ここDaisyBarはその締め括りとなる最終日、ワンマン!。お値段なんと、ちゃくらの結成日にちなみ617円。当然チケットはSOLDOUTとなった。フロアは超満員。ちゃくらの登場と共に、フロアとステージの距離が縮まる。ちゃくらも5日間連続でのライブの疲れを感じさせないパワフルさで、最初からオーディエンスを煽り、またフロアからのエネルギーを受け取りオーディエンスへとそのパワーを還元してゆく。彼女達はオーディエンスそれぞれの「君」に向けて唄いかける。それはそこにいる「君」でもあるのだけれど、どこかでちゃくらを聴いているまだ見ぬ「君」かも知れない。そんなインディビジュアルな個々の「君」が集まってパワーを発揮する。そんな彼女達のライブを観て、そして楽曲を聴いていると、筆者である私が、ロックンロールやポップミュージックをそもそも聴き始めたのは、自由になりたいっていう気持ちだったな、とそんな初期衝動を思い起こさせる。彼女達の楽曲自体は、多くの優れたポップソングの様に「わたし」と「あなた」との間に起こる物語、そこに起こる感情を唄うものが多く、所謂反逆の音楽みたいなものではない。筆者である私が十代を過ごした1980年代に比べて、今現在の方がいろいろな意味で成熟しているし、ジェントルで優しい時代になった。私の時代などは、アンチ大人とか、アンチ社会とか、今に比べてシンプルに戦うべき相手みたいものは想像できていた。今は敵と思えるモノの姿も見えにくいし、社会秩序も大事なことは十分皆が理解しているし真面目だ。そんななかでも生きずらさを感じる。その漠然としたもののなかで、自問自答しながら、楽器を手にし、四人となって、バンドとなって進んで行く。偏見だったり、社会の目だったり、それを気にする自分自身だったり、私を理解しないあなただったり、ガールズが生きて行く上でぶつかる様々なことに、身体ごとぶつかって行く。そしてそこで生み出される音楽は性別や世代に関係無くポピュラリティーと普遍性を持って我々に届く。ポップであることが一番ラジカルだったりする。そしてそんな楽曲、言葉にぐっときてしまう。この日のライブは彼女達のこれまでのインディーズ時代のストーリーを総括する様な内容でもあったと思うけれども、この日が特別な日であると同時に(それはどんな一日でも特別な日であるのと一緒で)、ガールズバンドが生きて行くその道中の通過点、インディーズ、メジャーその区切り関係なく彼女達のバンドが続いて行く、生きて行く線上にある一日なんだと思った。これからも茨の道で戦って行くちゃくらに勇気づけられるだろうし、そんな彼女を応援したい。そしてその先にいくつもある夢を一緒に観られる様に、我々リスナーもそれぞれのインディビジュアルな現場でベストを尽くし生きてゆかなければ、と背中を押された。そんな楽しく笑顔溢れつつ、エモーショナルな一夜だった。(加)

