コロナ禍前と全く同じ様なマインドにはなかなか戻れない部分もあるだろうけれど、ライブハウスの現場も以前の状況を取り戻しつつある。3年間でいろいろとリスナーの嗜好やトレンド的な部分にも変化あるかもしれないけれど、何かまだ物足りないものがあったとしたら、やはりハードロックブルーズ、The JFKだ。The JFK、ギター2本、ドラム、ベースの4人からなる、4ピースハードロックブルーズバンド。勿論ギターソロガンガンあり。ロックは初期衝動で鳴らす部分、技術なくても鳴らせる部分も当然ある訳で、そういう部分も非常に大事だし魅力でもある。けれど、当然技術が必要な局面は出てくるし、やはりルーツや歴史を知る意味も出てくる。そういう積み重ね、知識、知性や歴史の部分だったりフィジカル的な部分に裏打ちされたロックンロール。所謂様式美とはまた異なった歴史を知るからこその新しさも生まれてくる。そうしたサウンド、GROOVE、ブルーズがライブハウスに必要だ。勿論ここ数年The JFK自体ライブも行っていたけれど、DaisyBarでのライブの機会が無かった。只、その間The JFKのフロントマンであるSENSHO1500は、ソロでここDaisyBarにほぼ毎月の様に出演。そのソロならではのハードブルーズを叩きつけてくれていた。そこではギターのリフとリズム、そしてリリックによってGROOVEを組み立てる、ブルーズマンスタイル。そうした形で、ブルーズ、ロックをここDaisyBarで鳴らし続けてきてくれた。その活動が新たな世代にそうしたルーツに触れる機会になっていたとも思う。そうしたなかでThe JFKが新たな音源をリリース。そしてそのリリースイベントがDaisyBarで開催決定。という事で、数年振りのThe JFKがいよいよ、ここDaisyBarに還ってきた。対バンはELECTRIC EEL SHOCK。二十年以上のキャリアを持つ海外でも活躍するオルタナティブバンド。彼等とのガッツリ2マン。この日、入場時のチケットは前売りも当日も同じ価格設定。金曜、週末にふらりとやって来ても、見られるスタイル。トップのELECTRIC EEL SHOCKの始まる前には、フロアーもかなりの人。客層もかなりカラフル。外国人のお客さんも多し。そしてバーカウンターもよい感じで賑わっており、ELECTRIC EEL SHOCKが演奏を始めるとまさにそうした部分も含め、ニューヨークのvenueの様相。軽く毒を盛る様なユニークなMCを聴かせつつも、音が鳴り出せば更に猛毒を投げつける、海外でのキャリアも豊富な彼等ならではの怒濤のサウンドを浴びさせ、圧巻のライブを見せた。そしていよいよThe JFK。会場の熱も期待も高まるなか、登場。もう一音その音が鳴れば、The JFKのロックンロールショーの開幕。ギターフレーズが、リズムが縦横無尽に会場内を駆け巡る。ステージの熱と共に、会場の熱そしてアルコール度数も上昇。会場が一つのパーティーとしてのGROOVEが出来上がって行く。各パートの見せ場も多数。ギターソロも二本のギターがユニゾンで鳴ったり、ハーモニーを奏でたり。ドラムソロのパートも人力でここまで音は鳴らせるのか!という事を証明したり。ロックンロールバンドにはこういう事もできるんだぜのオンパレード(と、いうか元々あったモノである筈なのだけれど)。そうして、フロアーをGROOVEで見事に掌握し行く。これぞ、The JFK、これぞハードロックブルーズというライブを存分に見せつけ、ステージそして会場中を、存分に掻き回して、ライブ終了。The JFKの帰還をしっかりと印象つける流石のパフォーマンスだった。とは言いつつ、次またいつになるかわからないけれど、また是非その音を、GROOVEを鳴らし続けて欲しい!(加)