Slimcat、DaisyBar初登場は昨年の6月。まだ彼等は、関西神戸在住なので、その際、まだ東京でのLIVEも数えるほど。そこからこの半年間で、怒濤のライブラッシュを展開して、頻繁に東京でもLIVEを行い、ここDaisyBarでもほぼ毎月の様に、下手したら東京のバンドより出演回数多いくらいの勢いでLIVEを行っていった。まだ二十歳そこそこと言う彼等、さすがにその成長著しく、経験を重ねるごと、ライブパフォーマンスも上がって行った。そして昨年11月、超満員のFREE MEDIA ZINE SPICEのイベントで、今回のこの全国流通盤をSEEZ RECORDSより発売する事を発表。そのレコ発イベントであり怒濤のツアーのスタートとなるのが今回のイベント。まずはオープニングアクトで、大阪よりTHE BOSSSちひろが、短い時間ながら、しっかりとその印象を残す唄を披露。上野の銭湯のおじさんの話も面白かった。そして登場はTHE FOREVERS。Slimcatのレコ発と言う事で呼ばれると思ってました、と言うMCの通り、Slimcat、DaisyBar初登場の昨年6月も、まず彼等が対バンに手を挙げてくれたり、彼等との対バンも多数。THE FOREVERSの洋楽をベースにルーツを持ちつつ、日本のポップテイストも散りばめて昇華してゆく形は、今のSlimcatにも通じる部分があるかも。そんなTHE FOREVERSが披露した新曲も、そうした彼等ならではのポップを聴かせる楽曲でよかった。そして次に登場は、deronderonderon。DaisyBar初登場。アッパーなダンスビートとキャラクターで、ガッツリフロアを盛り上げた。そして会場も更に密度高くなって来た所で、登場したのはWalkings。彼等のルーツでもあるのは、アメリカのルーツミュージック。まさにそのアメリカで行われるsxswへの出演も決まった彼等。渡米資金を集める為、路上ライブも重ねており、たまたま昨年暮れに、アラバマシェイクスを観に行った帰り、会場近くで路上ライブを行う彼等を目撃。その時、アラバマシェイクスとWalkingsってジャストだな、と思ったのを思い出した。この日も、益々貫禄を増したガレージブルーズロックを叩きつけ、彼等のそのブ ルーズがアメリカで炸裂するのが目に浮かぶ様な、圧巻のパフォーマンスだった。そしてこの日の主役Slimcat。ボーカル小川が帰国子女と言う事で、昨年6月からDaisyBarに出始めていたときは、MCも英語で、それをベースの島田が同時通訳すると言う、来日感満載の演出をしていて、個人的にはそれも面白いと思ったけど、その後MCも日本語に変わり、一つ一つ丁寧に話しミュニケーションを取ろうとする様になったと思う。この日、MCも多く、より一層丁寧な印象を受け、独特の緊張感があった。そうした緊張感は、英語で喋る方が得意なのかも、なんて思わせたりもした。それが良い意味での洋邦のハイブリッド感があるなと思った。それはバンドの楽曲やパフォーマンスにも出てきていて、西海岸的なサウンドとメロ ディーに、日本式コールアンドレスポンスで、会場を一体化させるなど、バンドのサウンドやMC含め、この洋邦のハイブリッド感は、ある意味Slimcatならではだと思う。その当初の来日感で押し切るのでもなく、またJ-POP化するでもなく、またその日本のスタイルに対しても斜に構える事なく取り込むハイブリッド感。そして、そんなフレッシュで清々しい、彼等らしいパフォーマンスは満員の会場を沸かした。これから全国をツアーで回った後に、そこから彼等がまたどんな答えを見つけ、どんな進化を遂げるのか、今から楽しみ。(加)