4月の緊急事態宣言の影響で、DaisyBarも4月より一時休業とした。そして6月、mollが先陣を切ってくれ、その後、ピンクシガレット。と続いて、無観客の配信ワンマンを行ってくれたり(それぞれ熱くグットきまくるライブだった)、ブッキングでの配信ライブも行ったり徐々にDaisyBarにも生のバンドサウンドがもどって来た。そして、この日、約三ヶ月振りにお客さんを招き入れての営業となった。この日出演した四組とは、何度も日程をだしては振替、そしてまた振替を行いながら、ようやくこの日の開催までたどり着いた。この日はお客さんを入れてのライブと同時に、生配信も実施。お客さんを入れてのライブも久々で、更に同時に配信も行うというのは、三ヶ月前にはない状態で、我々スタッフ側も少し緊張。そんな空気の中、まず一組目はYOUNG GANGS。DaisyBar初登場。20代前半のメンバー中心で、この絶妙な外し具合がストライクゾーンに入る様なバンド名が最高だなと思った。最初は少し緊張感もあったけれど、徐々にそこもほぐれてきて、終盤はギターリフ炸裂の、バンド名からの想像を裏切らないガレージロックを聞かせてくれた。そして2組目、フェルン=ヴェーズ。雰囲気は一転。オルタナティブなギターエフェクトサウンドの轟音のなか、気怠げながら力強いボーカルが響く。メンバーチェンジを重ねながら、その変化を受け入れながらも芯を崩さず、また変化を楽しみつつ進化してゆくギリギリ感と、それを感じさせないクールさがある。その中に熱とポップも垣間見えて、この日はそのバランスがよりクリアになり、よい意味でのポップさが際だっており、また新たな側面を見た気がした。三組目はThe Goo。前回出演した3月から格段とバンド力が高まっていた。バンド力と一言で言ってしまったけれど、Groove感とかライブでのメンバーの間合いとか、技術力とか。三ヶ月経ってはいるけれど、普段とは違うこの三ヶ月間でこうしてバンド力を上げられるのは凄い。ロックンロールバンド、そしてライブバンドとしての存在感を存分に見せつけてくれた。そしてトリで登場TENGUSTAR。TENGUSTARは、もうこの数年毎月DaisyBarに出演してきてくれているバンドなので、TENGUSTARのライブをこんなに見なかったのは、彼等と出会ってこれまでなかったかと思う。彼等のライブをみながら、また当り前の様に彼等を観られる日常の大切さを痛感。本当に当り前ではない、いろんな要素の組み合わせでこうした日々が実現しているのだと思った。この日はベースの岸が怪我の為不参加となりギターボーカル、ドラムの二人体制。そういう形態だからこそのシンプルさもありつつ、淡々とだけれど、伸びやかに唄い上げられる楽曲。クソみたいな日常が明日は少しはマシになっているだろうという様な、優しくも熱く唄い上げられるTENGUSTARの世界、原田諭の歌詞が、こうした情勢下で更に響いて、彼等の曲のパワーをあらためて感じた。何度も聞いている曲ではあるけれど、感動し、これがまさにライブのよさだと思った。こうした感動をまたより多くの人と分かち合える様になってゆくとよいなと、あらためて思った一日だった。(加)