KOTORI PLAY FOR THE FUTURE TOUR

今年5月にリリースされたKOTORIの3rd Full Album「We Are The Future」。そのリリースツアーとして発表された「PLAY FOR THE FUTURE TOUR」は、なんと全国47都道府県を巡る計50本にも及ぶツアー。そのツアースケジュールには両国国技館の三日後ラストに、その何十分、何百分の一かのキャパであろうDaisyBarがクレジット。そのアルバムタイトル、ツアータイトル、そしてツアースケジュール、発信される情報にも、全国のリスナー、ライブハウスへの愛を感じるし、音楽愛というかロック愛を感じる。そこに夢もあるし、それだけでもパワーをもらった。そして、実際アルバムを聴いて、このスケジュールをみると彼等の意志みたいなモノもあらためて実感できた。初夏から秋にかけての状況下での全国ツアー50本というのは、普段の状況では考えられない事も多くあったと思うし、想像を絶する苦労もあったと思う。しかし、そんな中でも全国を巡り、両国国技館もやり切ってここDaisyBarにKOTORIが還ってきてくれたという事がホント凄いことだし、嬉しいし、感謝しかない。実際行動し、トライし、やり切ってゆく姿勢も本当にカッコイイ。この日はツアーのファイナルと言う事ではあったけれど、両国国技館をやり切ったあとでもあり、ニューアルバムからの選曲は少なめ。DaisyBarでも聴き慣れた楽曲も含む昔の曲多めのセットリスト。50本のツアーをやって、バンドとしても成長した自分達が昔の曲をやったらどうなるか試してみたくて、といった様な事をMCで横山が言っていたけれど、バンドの筋力というか、バンドパワーがより強靱になっていて、そこから発せられる音、声、グルーヴも確信に満ちていた。ニューアルバムからの楽曲も少なくはあったけれど、重要なポイントでキチンとそのメッセージが深まる文脈で鳴らされていたと思う。そして音源で聴いていた時には内省的に思えた曲も、肉体的に訴えかけてきて新しい発見もあったりした。昔の楽曲も更にパワフルに鳴らされ、バンド自体既に今回のツアーとは違う別のフェーズにも移っているかの様でもあった。アンコール含め2時間近いステージを多少のMCを挟みならも、ほぼノンストップで駆け抜けるまさに圧巻のパフォーマンス。KOTORIの強さとカッコ良さを存分に見せつけた濃密で贅沢な時間だった。昨年から今年にかけて、多くの人達が自分に何ができるか、どうすべきか、と言ったことを考えたりしたと思う。正しい答えなどはないのかと思うけれど、そうした中で、この日のライブ含めKOTORIを見ていると普段通りやり切るカッコ良さや重要さを強く感じたし、そこに感動もした。そしてそれが多くの人にもパワーを与えているとも思う。そして既に今回のツアーの更に先を行っているであろうKOTORIに益々期待。(加)