いつの時代もそうではあるのですが、ここ最近また十代のバンドで気になるバンドやカッコイイなと思うバンドが増えてきた。十代なのに、とか、高校生なのに、みたいなアドバンテージだったり先入観みたいなモノも当然あるにはあるのですが、ネットでいろいろなバンドの音源をチェックしていて、これカッコイイなーと思うと高校生!みたいな事はよくある。だからという事でもないのですが、この日は、二十歳前後のバンドが集まったイベントとなった。まずトップはEL-GARROTE。現役高校3年生。「16歳の春に夢を諦めて、あの日の自分に嘘ついて」と唄ってしまう、そのニヒリズムと誠実さがカッコイイ。それでいて、只、虚無を抱えるのではなく、ポップミュージックや他者に対 して希望を持っているエモーショナルさもあり、且つその楽曲がポップ。そこにリアルを感じる。まだ、ライブとしては少し固いかなーと思う部分もあるけれど、演奏力もあり、ライブ経験を重ねて行きながら更に表現力を上げてゆけるバンドだと思う。そして二番手はteen’s sight。昨年の1月から夏くらいにかけ頻繁に出演してくれており、その時はメンバーまだ高校3年生のガールズ3人組だった。それぞれ進路の事もあり、暫く活動休止状態だったのだけど、久々に、動き出した様だったので早速ブッキング。ボーカル&ギターのミナコ以外、リズム隊はメンバー入れ替わりサポートメンバーを擁しての活動再開という事だった。サポートという形を取りながらでも、バンドとして活動を再開させた所にも決意を感じる。それはライブパフォーマンスにもしっかり出ており、とても力強いパフォーマンスで、そのボーカル力と表現力の高さを存分に見せつけた。楽曲もフォーキー且つキャッチー。以前から演奏されていた曲も更に表情豊かになっていた。圧巻だった。そして三番手はLyric Jack。こちらも、昨年音源聴いていいなーと思ったら高校生だったというパターン。なかなか在学中は出演難しかったのですが、この春高校卒業し、今年後半DaisyBarでは三度目のライブ。teen’s sightと同級生の19歳。バンドの一体感と、Groove感がハンパない。バンドとしてもエモーショナルではあるのだけど、どっか乾いていて、開放感があり、根本にポップがある。そうした楽曲の良さに加え、ライブを観てカッコイイと思えるバンドだと再認識。そして4番手はvivid Bud。ソウルフルなボーカルに持っていかれつつ、ギターのフレーズだったり、リズム隊のGroove感でもガンガン飛ばされる。70年代的だったり80年代的テイストも聞こえたりもするし、ファンキーだったりもする。ここまでのイベントの流れを汲みながら、良い意味で流されず、マイペースというか自分達の間合いでキッチリパフォーマンスをしていて、これまたライブバンドだなと思った。そしてトリはインディアカヌー。もうこちらはガンガン畳みかけるロックンロール、パンクロック。9月から3ヶ月立て続けにDaisyBar出演。そのなかで一気に貫禄も増しつつも、よい意味で落ち着かず突き進む青さも忘れず併せ持つ。そうしたパフォーマンスでイベントをきっちり締めてくれた。この日の出演したバンド達を観て、 たまたまかもしれないけれど、やはり凄く表現がポップになっているなと思った。変に悲観的でも楽観的でもないポップな表現というか。こうした次世代のバンドが、更にDaisyBarを、そしてロック、ポップをドンドン面白くして行ってくれるだろうと確信した一夜だった。(加)