DaisyBarで彼等の名前を見ない月は無い、と言ってもよい程の出演回数を誇り、すっかりDaisyBarの顔にもなって来ているTENGUSTAR。3ピースのギターロックバンド。まだ二十歳のボーカル原田諭が作る楽曲はロック(という括りだけでは無いけれど)、王道と言う言葉がハマる。小細工なしに正面突破する楽曲。サビはサビとして、きっちり耳に残るし、一緒に唄いたくなる、そう言う意味での王道。そんな原田諭の楽曲をリズム隊が支える。そのリズム隊のDrumは原田諭の兄、原田直樹。そして、ベースは独特のキャラを放つイマギレ。そんな彼等による企画「ネオ平成ナイトフィーバー」今回が5回目。遡ってみると、第1回は2年前の11月、このDaisyBar Autumn Fesで。そして2回は翌年春にDaisyBar 11周年。3回目は、昨年のDaisyBar Autumn Fes、そして4回目は、今年の春のDaisyBar 12周年でと、キチキチと半年に一度、DaisyBarの節目に合わせてイベントを開催してくれている。かなりのハイペースでここDaisyBarでLIVEをし、更に半年に一度イベントを開催しているというのは、なかなか簡単ではない。ちょうど一年前のこの企画の事も、たまたまライブレポートに書いていて、その時のライブが印象的で、いろんな意味で手応えを感じていたと思う。その企画から一年。ライブを積み重ねて行くなかで、いろいろな状況があり、3ピースと言う事で、ライブパフォーマンスにしろ、楽曲のアレンジにしろ、良くも悪くも一人一人の力量がリアルに反映される。そうした意味で、バンドとしては正直、伸び悩んでいた部分はあったと思う。更なるモノ作り上げて行こうとすれば、いろいろと壁にぶち当た るのも当然ではある。只、そうした中で、バンドとして、新曲を発表するペースも上がってきてはいて、そのスピード感と、バンドの体力が一致しない部分があったかと思う。このイベントを控えた直前のライブでは、少し全体的にギクシャクした様な印象のライブだったので、この日はどうなのかと、正直心配要素もありつつ迎えたこの日。お客さんの入りもまずまず。トップに登場したのはLizards get tails。DaisyBar初登場。エモーショナル溢れるギターロックを炸裂させるパフォーマンスで頭から会場を熱くした。そして二番手登場はThe Doggy Paddle。ボーカルの恵守は、弾き語りもするのだけれど、この4月からはDaisyBarでもバンドと共に、弾き語りでの出演も多く、その際、よく対バンでぶち当たる原田諭に、出演回数含め諸々で負けじと競っている中で、親交を深め、ここに至る。ここの所のThe Doggy Paddleは、以前にも増してライブの勢いとパワーが溢れ出ていて、ロックンロールはサヴァイブし続け、また代謝していくと言う事を実感させてくれる。そして三番手登場はTYPHOON24。もう毎回のことながら、客席を一気に沸点に持って行くパフォーマンスは圧巻。その中でキチンとTENGUSTARベースのイマギレをいじるのも忘れず、先輩の礼儀として、主催の後輩バンドをやりにくくする空気を作ると言う所も徹底。そしてヒット曲と共に新曲も披露。最終的には会場中がダンシングしてました。そしてトリはTENGUSTAR。この日出演した3組とも、もうライブ巧者ばかりで、特に直前のTYPHOON24の盛り上がりを受けての出番。まず、この日が誕生日であるベースのイマギレを祝いつつ本編突入。最初の立ち上がりこそ、固い部分 も見られたけれど、矢継ぎ早に楽曲を演奏し続ける中で、バンドの集中力も高いのは伝わってきた。そして中盤に初披露と言って演奏された新曲も、ロック且つ抜けのよいポップさがあって、お客さんの反応も良かった。そして集中力を持続させつつ、更に三人がGrooveして行くのと同時に、会場もまさに一体化して行った。そして後半に向かって珠玉の楽曲にロックンロールの高揚感が加わって行き、決して上手い演奏ではないのだけれど、胸にくるモノがあって感動的なライブだった。やっぱり、これだけ、DaisyBarに出てくれている訳だから、ドンドン良いバンドになってもらわないと。と、言う事で、TENGUSTAR、危うさもあるけれど、また今後が楽しみになった。