この日は、DaisyBar18周年月間に少し間に合わなかったけれど、18周年追加公演という事で企画した3マン。まずはGLASGOW。この日出演するSISTERJET、そしてLiving Ritaの二人が在籍するCzecho No Republicなど、その世代のバンドからの影響を受けている世代。SISTERJETや、Czecho No Republicの初期の歴史を語る時、DaisyBarの歴史の一部の側面も語ることもできたり(そういう意味でもAnniversary企画に相応しい3マンかと思う)、更に彼等の歴史から、そこへと連なる日本のインディロックの歴史、世界のインディロックの歴史へも繋がり、語る事ができる。この数年(コロナ禍が始まる数年前から)、日本のインディーズシーンと世界のシーンのリアルタイムなリンクというのはなかなか見られなくなったけれど(それは良し悪しではないけれど)、GLASGOWは、そうした流れの中にいて、世界のインディシーンにも目配せしている直近の世代ではないかとも思う。そして、そうでありながら彼等はそうした趣味性にどっぷり振れるのでは無く、日本のポップシーンをしっかり見据えつつ、自らのインディロックを鳴らす。憧れのバンドや、そのリスナーを前にして緊張もあったと思うけれど、そのサウンドはしっかりとフロアーに届いていて、会場を彼等の空気へともって行く、堂々のパフォーマンスを見せてくれた。そして二番手は、Living Rita。Czecho No Republicの武井優心とタカハシマイの2人によるユニット。Living Ritaではタカハシマイがメインのボーカルを務める。そのボーカルの魅力と迫力が存分に前掲化し、武井のベース(武井がこうしてDaisyBarのステージに戻ってきてベースを弾いている姿を見られたのも嬉しい)、そして強力なサポートメンバーと共に作り上げるバンドの音像とGROOVEが更に押し上げる。個人的には前回、昼の代々木公園の野外のステージでLiving Ritaのパフォーマンスを観て、青空までその音が届いて行く様な開放感あるGROOVEが心地良く、そして素晴らしかったので、低い天井のDaisyBarではどうなるかなとも思ったけれど、そこはもう心配無用、さすが!の一言。透明感ありながら密度濃いサウンドが、限られたスペースの隅々まで染み渡って満ちて行く。そして観ている我々がどこか別の世界と交信して行く様な感覚にもなり、ここDaisyBarでも、更にまた圧倒させられた。そしてトリはSISTERJET。サウンドチェックから既にもうロックンロールバンド感、スター感バッチリ。会場全体も前のめりになって行く。サウンドチェックが終わり、そのまま、正に怒濤のSISTERJETロックンロールショーが大展開。二曲目で、いきなりWATARU.Sの「業務連絡」のひと声でセットリスト変更。そこに対応するKENSUKEさんもオオナリさんも凄い。もうLIVEでしか、そしてSISTERJETの三人でしか出せない怒濤のロックンロールGROOVE。詞とメロディーでグッときたりキュンと来たりしながらバンドは軽快にロックンロールで、あっという間に本編を駆け抜ける。これぞSISTERJET!という爽快なLIVE。ここ最近(というか、なんだかんだで、SISTERJETの出演も昨年の夏振りなのでかなり久々ではあるけれど)のSISTERJETは、三人のバランス含め、こういうSISTERJETが観たかったという、LIVEを見せてくれる。いやー楽しかった。早くまた野音でやって欲しい。という事でまさにAnniversaryらしい3マンで、濃く楽しい一夜だった。(加)