この日は、CRYAMYの1st singleのレコ発企画。チケットは見事にソールドアウト。それも対バンなど解禁する前には、ソールドアウトという状況。凄い。CRYAMYがDaisyBarに初出演したのは2018年の6月。彼等のバイオグラフィーをみると、彼等が今のメンバーになって活動を本格化させたのが5月と書いてあるので、まだ活動を本格化して間もなくの頃と言う事だ。そして、そうした所から、まだ一年も経たない間にこの状況を作り出すとは。ホント厄介なバンドが現れた。2月に彼等が出演した時にも、この欄に似た様な事を書いたのだけれど、彼等がこの短期間に、ここまでの状況を作りだすとは、私は、正直想像できなかった。だから、そういう意味で私、彼等の良い聴き手とは言えないとは思うし、ここにこうした文章を書いてよいのかな、と も、思わなくもないけれど、やっぱりこの日の彼等のライブと、会場の熱を体感してしまったらスルーできない。と、言うことで、ホント厄介なバンド。オルタナティブというかグランジが、彼等のサウンドのフォーマットの一つではあるのだけど、何故、今、グランジなのかっていうのが、やっぱりあって、私、90年代オルタナ直撃世代なので、嬉しいのですが、逆にリアルタイムな故に、考え過ぎてしまうという部分もこれまであったのかも。この日の彼等のライブをみて、彼等のヒリヒリしたサウンドと、そこに乗る曲のキャッチーさとか、まさにオルタナティブで、それが表層的なフォーマットを借りているのではなく、血肉になっていると、あらためて実感。そしてまた、その他のいろんな音楽を咀嚼した うえで、鳴らされているモノだと言う事が分かってきた。多くのリスナーは、オルタナだから聴いている訳ではないと思うけれど、CRYAMYが現れる以前の彼等の同世代バンドのギターサウンドの中で、確かに彼等は異質だったかも。そんなヒリヒリする様な音楽が、こんなに急速に受け入れられるとは、やっぱり想像できなかった。只、この日のライブでも、やはりそのヒリヒリ感と、そこを超えたロックンロールのカタルシスがあって、終盤のフロアーが波打つ様な怒濤の展開が、もう、いろんなことの答えだった。私もNIRVANAを聴いてヒリヒリしてた時期に引き戻されつつも、そこに、変なデッドエンド感や、湿度がないのが楽しい。そして新たなロックンロールスターだと思ったし、新たなロックンロールストーリ ーを作り出す可能性を持つバンドだと思った。今もまだCRYAMYのことが分かっている訳ではないけれど、そんな彼等が、この先どんな景色を描いてゆくのか、楽しみでしかたない。(加)