DaisyBar13周年月間も佳境の日曜日。オープン時間から足を運んでくれたお客さんも多く、開演前からアルコールとタバコの匂いと湿気とが混じりあったライブハウス独特の熱気があった。そんな中、まず登場したのはEGGEST。ガールズ4人組。この日EGGESTが一曲目に演奏した、「雨の中で唄う歌は」という曲の最後のサビで彼女達は「何かを変える為に唄うよ」と唄う。最近、エモーショナルに世界を変えようとか、君たちは正しい、と言うメッセージを放つバンドも多い。勿論そうした楽曲にもぐっと来る時はあるのだけれど、背伸びした部分がみえて、そこに距離を感じてしまうこともある。しかし、EGGESTの、この等身大の「何かを変える為に唄うよ」といったフレーズが、自分にとってもリアルに響くというか 、単純にロックってそう言うもんだよなー、と再認識させてくれた。そして、LIVEのパフォーマンスも思い切り吹っ切ってというか、そんな事も考えてない様に見えるくらいに、自由にやっていて、やっぱり一言で言ってしまうとロックだしカッコイイ。そして彼女等のそんなパフォーマンスに会場がドンドン引き込まれて行くのを感じた。そして二組目はTENGUSTAR。ボーカルギターの原田諭が書く楽曲は、どこか冷めた視点があって、それでも熱い。一度聴くと耳に残るその楽曲の強さとボーカルの強さは健在。この日二曲目に披露された新曲も、原田諭の弾き語りでも何度か耳にした曲だけれど、バンドで更に強度を増していた。そして既存の曲もお客さんにとって既にアンセム化している曲も多し。更に増えたフロ アーのお客さんも一緒に揺れ、唄う。そこに呼応するかの様にTENGUSTARの熱もドンドン上がってゆき、相乗効果でフロアの熱も更に上がり、TENGUSTARも渾身のパフォーマンスを見せてくれた。そして三番手はThe Mash。こちらも正に正面突破のロックンロール。初期衝動でそのまま突っ走り続け、毎回自分のパワーの更に上を行く事しか考えて無い様なパフォーマンス。それでも何年か前よりそのエネルギーの放出の仕方というか方向がキチンと定まってきている様に見え、それによって更なるポピュラリティーを獲得し始めていると思った。The Mashが唄うロックンロールにはロックンロールに対しての憧れの部分もあるけれども、それをキチンとわかってロックンロールに向き合うというか、そういう、リアリティあるロックンロールバンドはカッコイイとあらためて思った。そして4番手登場はLAZYgunsBRISKY。ここまでの3組の強力なライブを受けて登場。フロアーの空気も更に混沌さを増してよい感じ。そしてLAZYgunsBRISKYは、もう流石の貫禄のパフォーマンス。彼女達とも、かれこれ十年来の付き合い、という事で、MCでもDaisyBarには青春の想い出が、という様な事を言っていたけれど、新曲などポップチューンを含め、聴いてみると、今尚、青春真っ只中。確かに、十年前に比べたら、音もパフォーマンスも洗練されてきているけれども、そうやって新たな壁を 打ち破り、洗練しながら突き進む姿はカッコイイ。この日も新曲もあれば、十年前当時の楽曲あり。そこもきっちり一直線で聴かせながら、今を鳴らしていた。終盤には、Lucyが客席に降りていったり、更にアグレッシヴなパフォーマンスで会場を沸かせた。そしてトリはThe holy’s。これだけの濃い面々の後でも、よい意味でマイペースな佇まいの彼等。今年に入り新曲もガンガン発表しており、この日も頭から新曲披露。The holy’sらしい、Groove感溢れる楽曲。そして、ライブが進むにつれ一気にギアを入れて畳みかけて行く様はさすが。この日のイベントのこれまでの熱を、更に上げて、フロアーをガッツリ揺さぶって、ホントあっという間に本編終了。これはフロアーにいたお客さんも同じ思いだった様で、自然発生的にアンコールのかけ声が上がり、そこをきっちりThe holy’sが応えて、かなりの熱量渦巻くこの濃密な一日を締めてくれた。そこまで長いタームでないにしろ、世代、キャリア的に異なる5組が、ポテンシャル発揮しまくりの最高のパフォーマンスを見せてくれ、お客さんのバイブレーション含め、正にAnniversaryらしい、そしてライブハウスらしい一夜となった。(加)