3、4月とDaisyBar12周年月間と言う事で、この日もその一環となるイベントで、このメンツ。実際、最初この組合わせが決まった時は、面白くなりそう!と思いつつ、少しバラエティに富みすぎたかな、な、とも思ったりもしたけれど、結果、蓋をあけてみると、もう各バンドと、会場を埋めてくれたお客さんの熱量がハンパなく高くて、そういった懸念を軽く超えてくれていて、鳥肌立ちまくり。バンドっていいな、というか、凄ぇな、と言う、ライブハウスでライブを見続けて早幾年月な人間として、身も蓋もない感慨を持ったり。そしてロックンロールの未来は明るいというか、日本のロック(と敢えて言ってしまうけど)の、新しい進化を垣間見た様な気もした。まずオープニングアクトとして登 場したニトロデイ。メンバー男女17歳?18歳。出す音は重厚なオルタナサウンドで、各プレイヤーのスキルも高いし、ベースとギターが女性、ドラムとボーカルギターが男性という男女混合バンド。ライブ中、ボーカルギターの小室を観ていると、こちらの思い入れ過多だったり、彼が若いというのもあると思うけど、ふと、カート・コバーンや尾崎豊を思い出してしまう。かと言ってこのニトロデイに、そういうデッドエンド感というか、悲壮感みたいなモノがあるわけではない。それは、女性が二人在籍しているのもあるのかも。よい意味淡々としているし、何かそうした物語の中にいないというか、もう少し瞬間的というか刹那的にも見える。まさにこれから更にどうなって行くのか楽しみ。そして、オープニン グアクトの後に登場、The Floor。会場の熱を更に一気に盛り上げるパフォーマンス。調度一年前、初めて彼等がDaisyBarに出演した時もかなりカッコ良く、それで声をかけさせてもらい、コンスタントに出てもらう様になったのだけど、一年で更に急成長を遂げた。ボーカルササキのフロントマン振りも上がってきているし、何よりバンドが自らのアイデアを体現する基礎体力が上がってきている様に思う。Vampire Weekendを高速回転させ、そこに更なるダンスビートを乗せる様な楽曲など、これまでありそうで、なかったような気がする。打ち上げで彼等といろいろと話している中で、フライングロータス、オウテカ、パッションピットと言った名前が次々出て来た。そうした海外のアーティストからのINPUTを、日本語という形をベースにしたフォーマットでOUTPUTしていて、そうした音がリスナーを増やしているというのは、喜ばしい事だと思う。そして、会場もそうした楽曲とパフォーマンスに身を委ね、一体化してダンスモード全開で盛り上がった。続いて登場QUADRANGLE。昨年リリースされたアルバムは、80年代、90年代のポップ等々を今とリンクさせた、ポップネス満載のアルバムだった。海外、アメリカのチャートなどを眺め てみると、ブルーノ・マーズ然り、ソウル、ヒップホップと言ったポップ勢優勢で、彼等のポップ回帰はそうした流れとリンクしている部分もあると思う。なかなかバンドとして、そうした流れとリンクしている、もしくはリンクできるバンドは少ない。彼等の様な力量がそれを可能にしていると思う。この日もそうしたポップを放ちながら、新曲と紹介されていた楽曲は、まさに怒濤のオルタナサウンド。こういう振れ幅の良さもカッコイイし、現場感覚だと思う。そうした、まさに貫禄のパフォーマンスをみせてくれた。そしてトリで登場はthe twenties。もうこれまた、怒濤のダンスビート全開で一気にカオス。ロックンロールであり人力テクノとでも呼びたくなる彼等のハイパーなパフォーマンスはホント凄まじい。そのGrooveで会場を威嚇し、なお揺さぶると言った様な感覚で、まさにノンストップ。常にカオスで常にアッパーな世界を創出する圧巻のパフォーマンスをみせthe twenties終了。見事にこのイベントを締め括ってくれた。イベントを通じてこの4バンドからの情報量はもう圧倒的だった。そして最初に書いた様に、ロックンロールの未来は明るいと思った。(加)