SaToMansion。彼等のプロフィールから紹介文を拝借すると「日本で唯一、岩手が産んだ実の四兄弟ロックバンド。」そう、彼等四人メンバー全員兄弟。確かに、バンド全員が兄弟と言うバンドは他に無いかも。元々彼等四人は、それぞれ個別にバンド活動をして、キャリアも積み重ねていて、そうしたそれぞれの活動を経て、昨年2015年に結成という事に。それぞれのバンドでDaisyBarでも何度かライブをしてくれていたりもして、特に四男の伸之君が以前組んでたバンドは、毎月の様にDaisyBarでLIVEをしてくれていた。その当時、彼が四兄弟の末っ子で、お兄さんが皆バンドマンで、という事を聞いて、あ、彼等と兄弟なの、みたいな事を話したのを記憶している。それで、その伸之君のバンドの企画で、兄弟そ れぞれのバンドが集まった事もあった。今、思い出した。そうしたなかで、兄弟でバンド組めちゃうね、何てことも話してた気がするけど、まさかこうして実現するとは。この日は、そんな彼等が結成一年も満たないなか、完成させた1st album「the room」のリリースパーティー。まず登場したのはオープニングアクトのDr.silly。MCで、楽しく和気あいあいとやれたら、と言うような事を話していたけれど、それとは全く裏腹な、良い意味で殺伐としたオルタナティブなグランジサウンド。そこに乗るリードギターが、また独自の、グランジとは少し違った雰囲気を漂わせていたのも印象的だった。そして本編一番手はTHE TOKYO。自分の好きなロックンロールをやるだけ、と語る彼等のロックンロールは、70年代、80年代初頭の日本のロックンロール。当時の角川映画や、東映が作った、刑事、探偵モノTV映画のサントラで流れて来そう。そこを全く現代的な解釈とか、90年代以降のポップミュージックの要素とか介入させる事なく、ズバッとまんま切り取る潔さ。ライブも、そうした自分達の好きな事をやっているというのが溢れて、見ているこちらも楽しくなる。そんなパフォーマンスで会場を湧かせ盛り上げた。そして次に登場したのはThe cold tommy。新体制となり、初DaisyBarだった先月観た時から、更に三人のGrooveが強化されていた。以前、圧倒的なサウンドで、力技で投げ飛ばしていた様な所から、良い意味で柔軟さも加わり、更にポップに響く様になった。研井の放つ特異な空気感も相変わらずだけれど、それが外に向かって開いてきていて、サウンドにも包容力の様なモノを感じる。そうした新たなパワーを纏ったGrooveで、フロアを揺さぶり、その実力を見せつけた。そして、この日のトリ、SaToMansion登場。兄弟四人組バンド、と、言う謳い文句が、ある意味入口みたいな所もあるけど、だからこそ自由度があると言うか。兄弟だからこそ、な、Grooveは確実にあるのだけれど、そうした兄弟というのを、横に置いても、バンドとしての潜在的なパワーはさ すが。その実力と自信があるからこそ、兄弟四人でバンドを組んでいる、とも言い切れるのだと思う。そして、四人兄弟と言う事で、勿論それぞれ年齢も異なる訳で、多分それぞれ影響を受けた音楽だったりも違ってはいるのだろうけど、その楽曲に彼等の原風景なモノを強く感じた。情景が浮かぶし、ある意味刹那を感じさせるロック。そんな彼等の魅力を充分に感じさせてくれたライブだった。満員のお客さんも、しっかり、それを受け止めているのが伝わってきた。この日の出演バンド、それぞれジャンル的には異なる部分もあるけれど、そうした、オルタナだったり、日本のロックだったり、ギターロックバンドの放つGrooveだったり、それぞれこのSaToMansionの要素にもなっていて、最後、SaToMansionに集約されて 行く感じで、イベントとしても充実した内容となった。この日本に類を見ない四兄弟ロックバンドが、これから、更にどんな展開を見せてくれるか、更に期待!。