この日は、時速36kmから仲川慎之介、CRYAMYからカワノと、それぞれのバンドのフロントマン二人による弾き語り2マン。これまでバンドでは何度も対バンしている二組だけれど、今回弾き語りでの顔合わせは初との事。この日のイベントは、DaisyBarスタッフで、時速36km、CRYAMYと彼等が活動始めたての頃に、彼等をこのDaisyBarに引きずりこんだ立役者でもあり、時速36kmの所属レーベル2DK recordsのレーベルマスターでもあるカネコが企画。彼が翌日誕生日ということで、そのお祝いをしてもらうべく彼等に声をかけ実現。彼の誕生日企画も毎年の恒例企画となってきており、今年はこの二人でガッツリ濃密にということに。カワノ→仲川慎之介と繋いでのステージ。二人とも、企画趣旨や弾き語りということもあり、それぞれカネコとの思い出を語ってくれたり、バンドの時とはまた少し違ったアットホームなMC。そうしたMCのなかでも階間みえるのが、二人の言葉や、表現に対して正直であろうとする姿勢。ホントに、そこはスッと言ってしまってよいのではないかと言うところを自問自答して伝えようとしたり。そして、ギターを弾いて歌い出すと一気に空気を変える。3、4年前彼等を見いだしたカネコや、多くのリスナーに比べると、私自身彼等の良いリスナーだったとは言えないけれど、あらためて、こうして唄とギターというシンプルな形で彼等の楽曲を聴くと、その曲と唄の強さを実感する。そして、それぞれの楽曲にも、その真っ正直さがでていて、強く心打たれる。世界は複雑で、その時その時で様々な感情が押し寄せるけれど、そこを無理に単純化して「頑張ろう」というのではなく、その世界の複雑さとメンド臭さに向き合って、そこをリスナーに突き刺さしながら、手を差し伸べるというか。イベントを通じてアットホームな部分もあったけれど、決して内向きではなく、ポップ且つ貴重で、またこうした企画だからこそのグッとくる瞬間も盛り沢山で充実した内容だった。二人とも自分達がお祝いの席に合うような楽曲がないと言う様なことを語って、そのHappyさとのギャップを包み隠さなかったりもしていたけれど、表層的にHappyという形ではなかったけれど、その先にあるちょっとした希望というか、明るさというか、そんなものを、充分感じさせてくれた。そして、なんか明日も頑張ろうという気持ちになるというか。温かくも贅沢なそんな良い一夜だった。そして、当然また早くそれぞれのバンドのライブをDaisyBarでみたいと思った。(加)