「STRANGER THINGS in TOKYO」
Selected by HOLIDAY! RECORDS

ロックバンドとかインディバンドとか、なかなかメジャーなチャートなどで上位に名前を見つけにくくなって、世界的にもヒップホップだったり、ポップ系のアーティストだったりがチャートの上位を占めていて、そうしたチャートなどを見ると今、ロックバンドってどうなのかなー、なんて一瞬思わなくもない。しかし、実際、ライブハウスにいると、若いロックバンド、インディバンドも沢山いて、かなり面白い。そうした意味では、今も昔もライブハウスって最先端の状況がある場所だと思っていて、それを、ちゃんとどうキャッチするか、って事が大事だなーと思う。そしてこの日は、大阪のディストロ/WEBショップHOLIDAY! RECORDSセレクトによるライヴイベント「STRANGER THINGS」の第三弾。HOLIDAY! RECORDSの品揃えをみると、現場できちんと状況をキャッチして、メジャーな流通には乗らない様なアーティストをいち早くフックアップしていて、ホントに現場感があると思う。この企画の第一回も、ここDaisyBarで昨年の10月に行われて、その時の出演者が、SUNNY CAR WASH、YOOKs、マイアミパーティ、Jurassic Boys、ROKIと言う面々。半年ちょっと前だけど、今、またこのメンツ集めようと思ったら、相当な事になりそう。そして今回のこのメンツ。第一回目の時も個人的には早すぎないですか、みたいな感覚もあり、また今回も同じ様な感覚もあったけれど、これまた蓋を空けてみると、お客さんも沢山来場して頂き、絶妙なジャスト感。まず、一番手はpooll。DaisyBar久々登場で、新体制となって初。更にポップ度を増したというか、キラキラ度を増して、よい意味で力の抜けた様でもあった。そんなインディポップサウンドが会場をふわりと包む。2組目は、50 pears。最初は90年代な雰囲気を漂わせるインディロックかなと思ったけれど、そうした懐かしさを感じさせないスパイスが散りばめられており、そのマイペースな雰囲気も含め、ロック感もありの一筋縄で行かない雰囲気を醸し出していた。3組目、錯乱前戦。ピンボーカルに、ギター二本に、リズム隊という5人編成。そして、RCサクセションやブルーハーツと言った時代を超えるロックンロールマナーを踏襲する楽曲とライブパフォーマンス。更に70年代的なギター二本の絡みとか、若いながらかなりオールドスクール。でも、それがロックンロールストロングスタイルだと証明する様なそんなライブ。こうしたバンドを入れて来るあたりが、またHOLIDAY! RECORDSのロックンロールな所というか、スタイルで音楽を聴いてはいない、素晴らしい所だなと思う。そして次に登場は、Youmentbay。こちらはまた打って変わってソウルフルなシティポップ。只、シティポップと言ってしまうと一面的というか、80年代な雰囲気もあるかと思えば、2018年のR&B的な要素も盛り込まれていて、まさに2018年のバンドというか、今バンドやるならこう言う事でしょ、と思ってしまった。そしてトリ前に登場は、DaisyBarでもお馴染み時速36km。何度か彼等のライブを観ていて、ライブ良くなったなーと思ったけど、この日のライブは、こんなにライブ良かったっけ、と思ってしまうくらいの快心パフォーマンス。何が良かったか、書くのがこのスペースでの役割ではあるのですが、メンバー4人の 間合いとか、勿論楽曲も含め、更には会場のお客さんのヴァイヴ含め、まさにハマっていた、という感じ。終盤に演奏されたミディアムな新曲も良かった。今どき、こういう泥臭いバンドもなかなかいない、と、言う意味では今っぽくないのかもしれないけど、だからこそ、今、必要とされているのかも。そしてトリはLaura day romance。王道のギータポップかと思って心地良く聴いていると、オルタナサウンドが炸裂したり、聴く者を油断させないポップネスを発揮し、様々なジャンルが集まったこの日を見事に締め括った。6組と、かなり長い時間だったけど、決して飽きる事なく刺激的だった。また、多ジャンルで、一括りに出来ないバンドが集まった日ではあったけれど、それぞれから今を感じた。今回も、さすがの、ジャストなイベントだった。(加)