大阪HOLIDAY! RECORDSと、<ロックンロール新世紀>など、全世代の強力なロックンロールバンドを集めたイベントなどを手がけて来たdaijiro氏と、これまで多くのバンドを発掘してきた両者がタッグを組んだイベント。と言う事で、かなり楽しみにしていた企画。この企画の出演者が出揃った段階で、正直お客さんがどれくらい来てくれるのか、個人的にはかなり未知数ではあった。しかしこの日、会場オープンしてから、どんどんお客さんが集まって来てくれ、スタート前にはほぼ満員状態。このブッキングがジャストであった事を遅ればせながら認識。
まず一組目はJurassic boys。今回出演した中では、DaisyBar的にも一番付き合いの長いバンド。かなり乱暴に言うと、SISTERJET、Veni Vidi Vicious、そしてNOWEARMANと言ったインディロックバンドの系譜の中にいるバンド。2010年頃から違ったバンド名で出演してくれていて、メンバーも、ギターボーカル以外は違っていたりするんだけど、そんな以前の楽曲も多く披露。そして、シンディーローパーの80年代のヒット曲「ハイスクールはダンステリア」のカバーも健在。もう、こういうセンスがいちいちニクイ。初めて聴く楽曲もカッコ良かった。この日、結果的にBPM高めのバンドの出演者が多かったなか、しっかりとした安定した押さえたビートで、ある意味貫禄というか余裕さえも感じさせた。そして、彼等が何年も前から、ここでも何度となく演奏されていた楽曲が今こうして多くのリスナーに届き出しているというのが嬉しい。そして二組目はYOOKs。 超絶なポップソングを、高度なテクニックで聴かせるパフォーマンスで会場を魅了した。そして三番手はROKI。突如現れ自主制作した音源が話題となり、一気に注目度が上がった彼等。この一週間まえに初ライブを終えたばかりとの事で、今回が3回目のライブとの事。こうしたバンドをこのタイミングでサクッと入れ込むあたりが、このイベントの趣旨にもあっていたと思うし、その企画者側のフットワークの軽さと、サクッと動けるバンドの機動力って、よいなと思う。ライブの方も音源の疾走感溢れるキャッチーなガレージパンクに、更にライブならではの肉体感というか、熱も加わり、初期衝動で全力疾走して一気に駆け抜ける様なライブだった。そして4組目はマイアミパーティ。最初は、さくらい君の弾き語 りでDaisyBarに出演してもらったりもしていたのだけれど、そこからバンド組みたいと言う事で、札幌に帰ったりしながら、その彼の気持ちが形になったバンド。それが一気にこの東京でも注目を集める様になったのは、ホント、彼のバンド、ライブに対する熱量ゆえだと思う。そんな熱量と言葉が溢れ出す様なライブはエモーショナル。どこか青春パンク的要素も聞こえるけれど、ある意味ヒップホップぽいなとも思った。そしてトリで登場はSUNNY CAR WASH。ノリに乗っている圧巻のパフォーマンス。存在感バリバリで、緩急付けながらも会場を完全に自分達のモノにし、最後のアンコールまで、会場含めハイテンションで走りきった、そんな熱いパフォーマンスでイベントを見事締め括った。
こうして5バンド通して観ると、ルーツが似ているバンドもあったとは思うけれど、全く異なるルーツやジャンルのバンドが、結果集まっていたと思う。にも関わらず、もう最初から最後まで、全5バンドしっかり、体験して行ったお客さんがほとんど。5バンドとも勢いも凄かったけれど、リスナーの熱量もすごかった。リスナーが、同時代を共にライブハウスで体感できるバンドを求める、そのエネルギーと熱の高まりを強く感じた。(加)