Large House Satisfaction、ベーシスト小林賢司の誕生日企画のワンマン。DaisyBarのアニバーサリー月間であるこの3月、毎年開催してくれ、すっかり恒例のイベントとなった。もうこれで何年目になるか、数年来続くイベント。その中で、3年前は、調度コロナ禍が始まったタイミングでもあったが、そこでもしっかりと開催。そして、その後の2021年、2022年に関しては、キャパの制限もあった為、昼、夜の二回とキャパを分けて開催。この企画それ以前も昼、夜の二回公演で行った事もあったけれど、毎回しっかりと全力のワンマンを二回行う、そのライブ的体力には毎回驚かされた。そして、今年は、キャパも戻せるという事で、がっつり一回公演。3年前の様にステージ前に柵も設置。そしてフロアーもフルキャパでしっかりと埋まっている。この距離感。そこで鳴らされるLarge House Satisfactionのバンドサウンド。バンドのGROOVEとフロアーの熱が見事に呼応して、ライブハウス自体がGROOVEして行く様は、本当に圧巻。ロックンロールの快楽原則に忠実に、もうリズムとリフとボーカルとギターの音でぶっ飛ばされる。同期も使わず、人力で、生身の3人で作り出すGROOVE。そして、只、力任せや音圧任せではない、ある意味熟練度も増して行くなかで生み出されるサウンド。ロックンロールバンドが、年輪を重ねて更にカッコ良くなって行く事をこのライブハウスレベルで証明してくれている。そして、このバンドサウンドをライブハウスで体感できるのも、よく考えたら凄い。誕生日企画のワンマンという事で、よい意味で肩の力も抜けていて、MCもかなりたっぷりめ。いろいろと核心つきすぎてて、思わず笑いがこぼれてしまうトークも。エモーショナルでありつつドライでクールで決してユーモアも忘れない、そういう所やっぱりロックだよなねーなどとも思ってしまった。選曲もコアな部分もあったけれど、二時間近く(それ以上あったかも)全く時間を感じさせない、かなり中毒性の高いパフォーマンス。この企画を休まず続けてきた様に、Large House Satisfactionは、このコロナ禍の中でも配信なども含め、しっかりと活動を止めずに、ライブもコンスタントに行っていたバンドの一つ。そうした中で動いていたからこそ蓄えられてきたエネルギーが、更に爆発している様にも思えた。2023年、2月に入って、Kula Shaker、PAVEMENT、Wet Leg、Red Hot Chili Peppersと言ったバンドが来日。東京では連日日替わりで、ライブを行っていた。このタイミングで個人的にもそうしたバンドのライブを見たり、音源を聴き直したりもした。Wet Leg以外は、90年代のインディロック全盛期のバンドではあるけれど、これぞRed Hot Chili Peppers、な、まんまの新譜にしても、新曲を全くやらないPAVEMENTにしても、今の私の耳にかなりシックリ来てしまった。そしてWet Legもしっかりその流れでもハマった。チャートもすっかりポップミュージックやラップミュージック全盛で、私個人もそうしたジャンルの音楽を聴く事が増えてきたけれど、いやいや、2023年初頭、ロックサウンド、インディロックサウンドを自分の耳が欲しているのを実感し、体感した。という所で、すっかり何の話か分からなくなってきてしまっているけれど、そんなオルタナティブなインディロックがシックリと耳にハマる2023年、やはり、Large House Satisfactionである。という事が言いたかった。たまたまただけど、そうした海外の来日アーティストの音源聴いて、ライブを観て、この日の彼等のLIVEを見て地続きなのを感じたし、世界の流れとも呼応しあっていると思った。ロックがこれから盛り上がるかどうかとか良くわからないけれど、Large House Satisfactionが発しているサウンド、GROOVEを欲しているリスナーは多く存在する筈で、そのアディクトになっているのは、私だけではないと確信できる、最強のパフォーマンスだった。(加)