ライブハウスツアー 2023「感情なんかぶっ飛ばして」

本来なら1月のライブレポートを書く筈のスペースではあるので、1/11に行われた「ひめはじめ6」について書く予定ではあったのですが、こちら、毎回月替わってからの更新というタイミングもあり、ちょうどその間に今回のライブハウスツアーが行われ(たった三週間後にDaisyBarにクリープハイプがまた出演するなんて、本当に信じられないけれど)、そのライブを観てしまったら、なかなか遡ったライブレポート書くのも難しくなってしまい、少し反則で2月この日のレポートを。と、言ってもいつものようにパーソナルな内容で、レポートの様でそうでないのでネタバレも無し。1/11のひめはじめの時のライブでロックバンドとしてのクリープハイプのカッコ良さとか強靱さをあらためて目の当たりして、2月のワンマンはどんな事になるんだと思ったし、クリープハイプは本当にいつでも今が一番カッコイイし、最強だなと圧倒された。そしてやはりこの日のライブでもそれに変わりはなかった。クリープハイプの規模のバンドがこうしたライブハウスでライブをする事はかなり異例だしスペシャルな事でもある。アリーナで出来るバンドが、ライブハウスでパフォーマンスできるかと言うと必ずしもそうではない。アリーナではできても(そうしたアリーナクラスの演出などを抜きに)ライブハウスレベルではパフォーマンスできないなんてアーティストやバンドはいくらでもいるだろう。この距離感だからこその、ごまかしの利かないライブハウスならではのパフォーマンス。それをやり切れるバンドでもあるという事で、ライブハウスで叩き上げ、ライブハウスでオーディエンスを一人一人獲得してきた彼等だからできることだと思う。そうした彼等のこの日のDaisyBarでのパフォーマンスを観て、アリーナやでっかいフェスで観たい!と率直に思った。そして、きっとアリーナで彼等を観たら、ライブハウス、DaisyBarでも観たい!と、思うのだろう。ライブハウスでのライブを観て、アリーナを想像できるバンドでもあり、アリーナや大きなフェスでのライブを観てライブハウスでのライブをイメージできる希有なバンド。ライブハウスのキャパでそれを観られる人数は少なく限られてしまうけれど、そうした夢をしっかり見させてくれ、それを実現してくれる。そして今回のライブハウスツアー、中止となった2020年のツアーで行けなかった場所を巡ると言う。もうそれを聞いただけでも胸が熱くなる。本当にこの三年間、皆がそれぞれ様々な想いを抱えて過ごしてきた。そうしたなかで、こうした彼等のアクションは本当に勇気づけられる。この三年を経たからこその今でもある。その2023年だからこそ演奏される楽曲もあるだろうし、そもそも2020年には存在していなかった楽曲もあるだろう。クリープハイプ自身も2020年のツアー、そして幕張メッセのライブ中止と、我々の想像以上に様々な想いがあった筈。2020年、幕張メッセでのクリープハイプはどんなであったであろうと夢想したりもしたけれど、その年月を経て、このライブハウスツアー、そしてその先のアリーナツアーは、そうした倍返し的な要素を抜きしても、その2020年想像したものを更に超えて最高のものになるだろう。それを強く確信させてくれたツアー初日だった。そしてそんな重要なツアーの初日にここDaisyBarを選んでくれて本当に嬉しいし感謝しかない。(加)