DaisyBar 17th Anniversary
~「太客倶楽部」会員限定ライブ~

DaisyBarでクリープハイプがライブ行う。それもワンマン。何か書いていているだけでも現実感がないというか、普通に考えたらとんでもないこと。それを、サクッとやってしまうというか、そういう特別を特別と感じさせないスペシャルさというか。クリープハイプがDaisyBarのステージに久々に立って、その姿を見て、わっ、ホントにクリープハイプだ!と、いちファン、いちリスナー目線になってそれだけでグッときてしまった。しかし、実際演奏が始まってゆく内にステージにクリープハイプがいるという空間が、どんどん自然なことの様にみえてくるというか、そこを超えて凄いことが起こってるぞ、という感覚に。個人的にはDaisyBarでの昔の姿を思い出したりしてノスタルジックになった部分も少しあったりはした。けれども、バンド自体は、そうした記憶やイメージの更にそのずっと先にいて、一瞬でそうしたモードも吹っ飛ばされた。クリープハイプの楽曲は、ロック、ポップの歴史の流れのなかでも、ある意味発明というか、後に続くバンドにも多大な影響を与えていることは間違いない。只、そこを拡大再生産するのではなく、また逃げる訳でもなく、更なる先を見せてくれてもいた。常にチャレンジを重ねていて、このサイズの空間でもきっちりそれを体現し、そこで表現仕切るパワー。DaisyBarでクリープハイプがワンマンをしているなんて、それだけでスペシャルで凄い事で、こちら的にはそれだけでも充分とさえ思えてしまうけれど、このキャパのライブだからこれくらいで、みたいな所が一切ない。当り前といえばそうなんだけれど、なかなかできることではないし、そういった姿勢も本当に尊敬するしカッコイイ。それは、DaisyBarでライブを重ねていた頃からずっとそうだったんだろうとあらためて思う。DaisyBarのキャパシティを余裕でオーバーしてからも、これまで何度もライブを行ってきてくれているけれど、ワンマンということになると12年振り。12年前のワンマンは現在のメンバーになって間もない、まだメジャーデビュー前のタイミング。その時も既にチケットは即日完売。そして、そこから4年後には武道館2daysをSOLD OUTさせて、DaisyBarのステージから武道館への歩みを体現してくれたし、更に先を進み続けている。こうして振り返ってみると、DaisyBarであろうと、メジャーだろうと、状況や環境が変化しても変わらず挑戦し進み続けてきた結果、今、そこにいて、だからこそメジャーシーンの第一線を走り続けていられるのだとも思う。圧倒され、痺れっぱなし。圧巻だった。(加)