Neo Music Store Chase pre
DaisyBar 17th Anniversary pre Event
「FULL HOUSE」

DaisyBarも皆様のおかげでこの3月で17周年。この日はいつもお世話になっている龍ノ平氏も深く関わっているネットショップChaseに一足早くそのDaisyBar17周年をお祝いしていただく企画(ありがとうございます!)。ネットでのCD等の発売と同時にイベントも積極的に行っているChase。そのネットショップ上の品揃えにしろ、イベントの顔ぶれにしろ、インディーズシーン最前線真っ只中のバンドもフォローアップしつつ、新しい才能もきちんとフックしていて、こだりとと信念を強く感じる。またその新しいバンドやアーティストをフックするときのスピード感にも感服。それは、アーティストに対してもそうだけれど、リスナー、そして自らの耳を信じきれているという事だと思う。そしてこの日も、そうしたChaseならではの豪華且つ充実の顔ぶれ。前日、時速36kmの仲川慎之介が、急遽キャンセルと言う状況になってしまったのだけれど、CRYAMYのカワノが急遽追加で決定というサプライズ。一夜にしてこういったことができるのも企画者の信頼あってこそ。まずトップは、ながいひゆ。伸びやかで透明感ある唄声とミニマムなアコースティックギターの絡みあいが心地良く、更に独自の緊張感をも醸し出していた。この日は終始、そうした静かな緊張感が会場全体に漂っていて(それは決してネガティブなものでなく、ここで起こることを見逃せない、聴き逃せないと言う様なものだったかと思う)その空気感を彼女がまず作りだしていた。そして二組目、SuU。荒涼とした景色の中に放り出されながら、その先に希望を見せる様な、そんな世界が紡ぎ出される。二つの才能がぶつかりあっているという訳でもないけれど、絶妙な間合いというか、GROOVEというか。圧巻だった。そして三組目、秋山璃月。決して難しい言葉ではないし、言葉数が多い訳ではないのだけれど、次から次へと思いも寄らない様な言葉が飛び込んできてイメージをとばして行く。不思議な体験だった。そして四組目、藤澤信次郎。この日唯一エレクトリックギターでの弾き語り。そういうこともありこれまでの三組とはまた一味違ったファンキーなアグレッシブさ。そこにしなやかさと柔軟さが加わり、きっちりと唄を届けてくれた。そしてトリはカワノ。この日はまた一段とその唄声の表情も豊かで、時に力強く時に優しく染み入ってくる。MCも少なめで淡々とに見えたけれど、曲が始まってから発する熱量と説得力。静かな凄みも感じるような迫力のパフォーマンスだった。充実の五組。それぞれの素晴らしいパフォーマンスが呼応し響きあって行くような濃密で特別な時間だった。こうした夜をつくりだしてくれたChaseのプロデュース力にも感謝。(加)