JIGDRESS。彼等のホームページによると2020年末に結成とある。なので、彼等がバンドを始めたと聞いたのもそのタイミングだったと思う。当時彼等と会うと早くライブやってよ、みたいな話ばがりしていた気がする。彼等と音楽の話をするのは毎回楽しいし、メンバーそれぞれ、インディロックは勿論、ポップミュージックや、ポップカルチャーに関しての愛情も深いし、その分そうした諸々への批評性も持っているので、そんな彼等がどんなバンドをするんだろうというのが楽しみでもあった。活動もネット上にぽんと音源を上げたりで、神出鬼没であまりちゃんと追えていなかったりもした。そして2021年5月、やっとというか遂に龍ノ平企画で、初ライブという事でDaisyBarに出演。そのパフォーマンスを観る事ができた。初ライブをDaisyBarでやってくれたのはホント嬉しかった。その時は初ライブという事で、見ているこちらも少し気構えている様なお互い変な緊張感があったかも。そして、この日、DaisyBarでJIGDRESS企画という事でまたDaisyBarに戻ってきてくれた。そして見事SOLD OUT。彼等のライブを数ヶ月振りに観るという事で音源などチェックしなおそうと思い、MVを観たら、私が十代を過ごした80年代に観た何ともジャストな映像とシンクロしまくっててビックリした。退屈な日常の中にある非日常である台風を待つ映画。思わず、彼等のLIVEを観る前にその参照元の映画を見返してみようかと思ったけど、このJIGDRESSのMVの方がよかったら、あの想い出がダメになって行くってことになるのが恐くて何故かセーラー服と機関銃を見返してしまった。別のMVには、ラムちゃんの姿も。ずっと文化祭の前日だったらいいのに、という、うる星やつらの映画もあったなーとか。更に90年代のミニシアターでかかっていた様な映像まで(こちらの参照先はわからないけど)取り込んでいたり。彼等のその初期衝動的な表現と確信犯的な部分に触れて、ポップの根本的な自由さというは本来こう言うもんだよなーと思い起こさせてくれた。そしてそれをポンとやっていてる所がカッコイイ。直接関係ないけど、数年前に同じ様にカラックスのポンヌフの恋人という映画の有名なシーンに自分の曲を付けてたバンドがいたなーなどとも思いだして感慨深くなったりもした。JIGDRESSがやっている事は、そうしたパンクスピリット、インディーズ魂に溢れていて凄く自由にみえる。そもそも2年前だったらこの4人が同じステージに立っているなんて想像もつかなかったし、そういう所の発想も自由というか初期衝動的というか。4人がライブで鳴らしている音を聴いてなんか不思議な気もするし、贅沢な気分にもなる。そして今の時代に、インディロックを面白くしてくれると思わせてくれる。この日の三組は、それぞれ音楽的なルーツみたいな所なども異なると思うけど、そうしたスピリットの部分は共通していると思ったし、迷いのない突破力を感じた。そしてJIGDRESSは、無邪気に楽しそうだし、ダイキ君のMCも凄く正直だし、それでいて何か仕掛けてそうでもある。その自由さと無邪気さと正直さと鋭い批評眼で、3.11やコロナ禍等々で非日常を経験しまくって、すっかり台風来ないかなーも言いにくくなった2022年、彼等がまたどんな活動をし、作品を残してくれるのか楽しみ。(加)