この日は、DaisyBar16周年企画の一環としての3マンイベント。SISTERJET、Jurassic Boys、The holy’sという、現在のインディロックシーンをリアルに捉え、表現し、そしてDaisyBarのヒストリー的にも繋がりのある3バンドによる、個人的にも見たかった3マン。まず登場はThe holy’s。こういう状況下でも毎月コンスタントにここDaisyBarでもLIVEを行ってきてくれていて、現場力を高め、そして現場を引っ張ってきてくれているバンド。昨年、DaisyBarが閉まっていた時期を除けば、この数年毎月DaisyBarに出演してくれている訳で、ホント凄い。この日もそうした中で鍛え上げられた、鉄壁な演奏力とGROOVEでフロアーをきちっり熱くしてくれ、その頼れる存在感を存分に発揮してくれた。海外のインディロックなどを経由して、彼等が見ているディープな世界をポップにそして熱いパフォーマンスで聴かせてくれる。そうした楽曲をこの日のような長い尺で多く聴ける機会もまたドンドン欲しいなとも思った。そして2番手はJurassic Boys。前身バンドの時代からDaisyBarに出演してくれていて、その当時から彼等のSISTERJETに対するリスペクトは聞いていたのでこの日対バンが実現して個人的にも嬉しかった。そんな彼等も久し振りの登場。暫く出演機会がなかった時期もあったけれど、そうした間も自身主催のパーティーを定期的に開催したり、音源リリースしたり、新たな世代のインディロックの土壌を耕し続けてきてくれていた。90年代〜現在に至る英国や北米のインディロックを摂取し、アウトプットしてきている印象の彼等だったけれど、この日のLIVEでは、勿論そうしたコアな部分もありつつ、よい意味でかみ砕いたポップな要素も散りばめられていた。以前シンディ・ローパーのカバーをやったりもしていて、元々そういうフラットなポップさも兼ね併せていたバンドでもあって、彼等の楽曲はそうした絶妙なポップセンスで海外と日本のインディロックを見事に繋げていた。最初少し固い印象もあったけれど、LIVEが進むつれバンドのGROOVE感も増してゆき、彼等のバンドとしてのカッコ良さ、COOLさをあらためて体感できた。そしてトリでSISTERJET登場。昨年予定していたDaisyBar15周年を記念してのa flood of circleとの2マンは、最終的に中止という事で(必ずまた実現させたいと思っております)、前回の出演が2019年のワンマンで、それ以来ということに。個人的にそのワンマンが、こんなSISTERJETが見たかったと思える快心のLIVEで、2020年彼等の20周年YEARにも楽しみだった。けれど昨年の社会情勢で彼等も思う様にLIVEができず、なかなかその先を体験できずにいた。そして、やっと一年越しでDaisyBarでのLIVE実現という事で期待も高まった。まず一曲目、「バイバイハニー」でスタート。約15年前、彼等がDaisyBarに出始めた当初、WATARU.S曰く「無敵だった」時期からやっている曲。“雨が降り始めたね 何日か降り続くらしい バイバイハニー”というパンチラインがあって、別れの心情の描写として凄いなーと思っていて、また何度聴いてもグットくるし、SISTERJETの中でも好きな曲の一つ。そんな感想を当時の彼等に話したことがあり、それを憶えてくれていて、Anniversaryという事で一曲目に披露してくれた。ホント、そんなはからいも、そして久々にLIVEで聴けたのも嬉しかった。そんな振り返りモードはその次に演奏された「キャラメルフレーバー」まで。そこからは怒濤の新曲攻勢。昨年のWATRU.Sの弾き語りで披露されていた楽曲もあり、勿論はじめて聴く曲あり。アメリカ南部や、小説の中や、宇宙等々、それぞれの楽曲の中で、様々な景色や物語の中を漂う様な雰囲気の楽曲。そしてどの曲もミドルテンポ。性急なロックンロールビートの彼等もカッコイイのだけれど、こうしたミドルの曲を心地良く、そして骨太のGROOVEで聴かせられるのも彼等の良さ。そしてなによりWATARU.Sのボーカルも絶好調できっちり唄い上げていた。数年前、酔っ払ってステージで悪態ついてた彼も悪くはないけれど、やっぱり、ちゃんとロックンロールショーとして成立した形で聴けるのはSISTERJETもよい。そんな新曲が半分を占めるLIVEではあったけれど、お客さんにもしっかり届いた様子で、フロアーに余韻を残し本編終了。自然とアンコールの声かがかかり、再びステージに登場。「Johnny B.Good」でしっかりロックンロールをかまして、インベントも無事終了。彼等としても暫くぶりのLIVEではあったのだろうけれど、LIVEが無かった期間の充実度が伺える内容だった。7月にはDaisyBarでワンマンも決まっており、ここでこの新曲群も踏まえ、どんなパフォーマンスをみせてくれるか更に楽しみになった。これからのSISTERJETにまたまた期待。(加)