久々開催のROCKERS。ROCKERSは、元々DaisyBar開業当初2005年から数年間に渡りDJの片平氏がオーガナイズし毎週水曜日にDaisyBarで開催していたパーティー。折々のタイミングで、新鋭のバンドをフックアップ、そのライブを加えてのパーティーも開催していた。今スケジュールを振り返っても、現在メインストリームで活躍する面々が多数登場してくれている。そして、ROCKERSのウイークリー開催が終わった後も、このSPECIALな形態で、DaisyBarのAnniversary月等々のタイミングで開催されて継続中。ただ、ここ数年は、水面下では動きつつもなかなかタイミング合わず、また昨年からの状況もあり、開催まで至らずな状態が続いていた。しかし今回DaisyBar16周年、そして片平氏の主催するパーティー、GettingBetterが25周年という事で、共同企画として開催決定。とは言え緊急事態宣言がまた延長されたなかで、お酒なし、20時closeという条件下での開催で、これまでのパーティーとは明らかに異なったスタイルに。お酒飲んで、最高の音を浴びて、というのがパーティーの要素だと思うけれど、今の条件下で、まずは音を出してみようという事で開催に至った。と、いう事で、まずOPENと同時に片平氏のDJスタート。The VerveのBitter Sweet SymphonyからThe Stone Roses のTen Storey Love Songとイギリスの90年代な楽曲からスタートしつつ、海外インディロック中心の選曲。DJパーティーの楽しさの一つに好きな曲をイヤホンや、自部屋のステレオとは違ったサウンドシステムで大きな音で聴けると言うのもあると思うんだけれど、今まで知らなかった音楽と出会えるのも楽しみの一つ。また、今まで聴いた事ある曲でも前後の曲やパーティーの流れのなかで聴いて、あ、そういう事だったんだ、とか、この曲こんなカッコ良かったんだと、再発見する事も多い。片平氏のDJや、パーティーでも何度もそうした体験をして来た。ストリーミングサービスのアルゴリズム的なプレイスリストでは得る事のできない体験なので、是非そうしたパーティーにも遊びに行く事をオススメ。という流れで1組目GLASGOW。以前も少し書いたけれど、90年代からUKインディロックにドップリハマっていった私などからすると、好きなバンドを数多く輩出している都市名を冠しているだけで、正解。という感じになってしまう。そんな彼等のライブは、そう言ったUKや海外インディの文脈も勿論あると思うけれど、そこだけに捕らわれない発想の自由さも感じさせてくれる。オルタナ感もありつつ、日本の音楽シーンにもちゃんと目配せしているというか。私の様にバンド名から海外のインディロックバンドをいつかイメージするような人間にもそうだし、そことは全く関連づけずに入って来るリスナーにもきちんと間口を広げているサウンドでありパフォーマンスだった。そして2番手はJam Fuzz Kid。ボーカルがいて、ギター2人、そしてリズム隊という編成。彼等のサウンドを聴いてOasisを連想する人も多いだろうし、実際彼等も好きだと思う。昨年リリースされた彼等のアルバムは、そんな90年代感満載でかなりツボだった。そしてツボすぎて、もうその偏愛感がハンパなくてこちらが少し気恥ずかしくもなってしまう感覚にもなった。只、90年代Oasis以降、ここまでOasisの流れを汲んだサウンドを鳴らすバンドもなかったのではないかと思う。それはソングライティングもそうだし、キャラクターも含めやりきれるタレントがいなかったのだと思う。そこを張ってゆく彼等はホントカッコイイと思う。そしてライブを観るとそういった90年代感というより、ライブバンドとしての魅力も強く、よい意味でまた違った突き抜けた場所で音を鳴らしている気がした。そして、ロックンロールスター不在の現在において、ロックンロールスターの誕生をも感じさせてくれる数少ないバンドの一つでもあると再認識させてくれた。そしてトリはTHE TOMBOYS。60年代、70年代のモータウンのガールズボーカルグループを思わせる佇まいとファッション。ダンスミュージックとしてのロックンロールからキャッチーなポップまでもう幅広く、聴いていて、観ていた楽しい。メンバーの脱退を発表したばかりのタイミングでの出演ではあったけれども、そうしたジメッとした湿度を一切感じさせない、ポップミュージックの楽しさを存分に体感させるショーケースは圧巻。フロアーも最高潮に盛り上げてくれ、見事このパーティーを締め括ってくれた。ライブ終了後、ラストに片平氏がクロージングでOasisのWhateverをかけパーティーも終了。Clubでグデグデに酔っ払って朝方この曲よく聴いて感動したなーとか思いだしつつ、こうしたなかでも、まずは一歩として開催できたでよかったとあらためて思った。出演してくれたバンド、来場していただいたお客さん、そして片平氏にあらためて感謝。PARTY GOES ON!でまた新しいパーティーを作って行きましょう。(加)