この日は十代から二十代前半のバンドが揃ったブッキング。出演予定だったGOMENNE YUL CITYがキャンセルになってしまったので二十代がツキノワ。十代はVerxina、維新伝震が、今年の春高校卒業したばかり、Shar Rockはその一つ上の年という構成。十代の3組は彼等が高校在学時代からDaisyBarに出演してくれている。高校生のバンドは、これまでも何組もDaisyBarに出演してきてくれているけれど、ここ1,2年で声をかけたくなるバンドが増えてきているのは確か。皆、演奏力や楽曲を作る能力もかなり高い。フェスのオーディション枠にも、高校生のバンドがエントリーされグランプリを獲ることも珍しいことではなくなった。この日でいうとShar RockとVerxinaが既にそのラインナップに名前を連ねた経験もある。この日はオープンからそうしたバンドと同世代のお客さんが多く集まってくれた。トップは維新伝震。キーボードボーカルスタイルの4人組。久々一年振りくらいの出演。当時からエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれていたけれど、当時はそのエネルギーが制御できていないような部分もあったけれど、見事そのパワーをしっかりパフォーマンスに落とし込んで、技術力もさらにアップしていた。途中ラップを織り込んだ楽曲もあったりとそのアイデアの豊富さも見せてくれた。そして次に登場がツキノワ。ボーカル高村愛実は前回弾き語りでの出演もあったけれど、バンドとしては初。キャッチーなメロとそのメロと歌詞がすっと入って来る声の良さが印象的。久々のライブということで最初少し堅さもあったけれど、徐々にその堅さもとれ楽しそうにパフォーマンスしてくれていた。そして三番手はVerxina。最初に出演したのが、2年前、彼、彼女達が高校2年生の時。昨年はなかなか出演機会なく結果的に一年半振り。曲も大人な雰囲気も帯びてきていて、演奏も更にグッと貫禄がついてきた。堂々たると言ってしまいたくなる様なパフォーマンスでフロアのリスナー達にもきっちりその楽曲を届けていた。そしてトリはShar Rock。こちらも初出演が二年とちょっと前。Shar Rock以前にも高校生のバンドは、たくさん出てくれていたけれど、まだ特定のいくつかの能力あるバンドがいて、という様な印象だったけれど、当時のShar Rockを観て、あらためて高校生のバンド、凄いなと実感し、十代のバンドを探すのが更に楽しくなり、その中で面の広がりを実感した。個人的にはそうした起点になってくれているバンド。当時はまだ制服でライブしてたけれど、すっかり制服から私服に替わって、高校生という看板がなくなったことによって、よい意味でフラットにバンドのパフォーマンスも観られる様になった。そのパフォーマンスもよりキャッチーにもなった様に思う。そして演奏力も磨きがかかり、ROOVE感も増して、そのGROOVEで会場もしっかり盛り上げて、この一日を締めてくれた。そしてこの日印象深かったのが、来場してくれた、出演バンドと同世代のお客さん達がホント楽しそうだったこと。それも嬉しかった。
この一年、多くの人達が様々な影響を受けてきて、現在もそれが続いていて、バンドやアーティスト達も当然その影響をモロに受けてきていはいるけれど、やはり十代、そして二十代前半の子達の本来ならあった筈の表現、学び、体験の機会を奪われ続けてしまった損害は非常に大きいと思う。そうしたなか、またこうして少しづつでも彼等がステージに戻って来て、多くのリスナーと共に、ポップミュージックやロックミュージックを楽しみながら、前進させて行って欲しいなと、この日のバンドやお客さんの笑顔を見てあらためて思った。(加)