DaisyBar 15th Anniversary
~LOOKING GOOD!!!~

本来、3月、DaisyBarの15周年月間に開催予定であったイベントの振替公演。人数制限を設けた形ではあるが、お客さんを招き入れての開催となった。まず、オープニングアクトとして、くだらない1日が登場。短い時間ではあったが、全力疾走で駆け抜ける勢い溢れるパフォーマンスで、キッチリと存在感を示した。そしてここから、3マン。と、いう事でまずYap!!!。メンバーの脱退を経て2ピースとなって登場。インスト中心のセットリストで心地良いけれどガツっと刺さるビートとグルーヴ。バンドサウンドとしてのフィジカルなパワーもありながら、そうしたバンドという形態に捕らわれない自由なサウンド。なんとなく以前フジロックで見たアヴァランチーズを思い出したりもして、どこか深夜のクラブに迷い込んだ様な気分にもなった。ボーカル、ギター、プログラム等々を担当している石毛はよくDaisyBarでのイベントやパーティーにも遊びに来てくれていたのだけれど、実はDaisyBar初出演ということで、そういう意味でも感慨深った。そして続いて登場したのはthe twenties。久々の登場となった彼等。これまで彼等がDaisyBarで繰り広げてきたライブといえば、クラウドとバンドがぶつかり合って、そこでエネルギーを燃焼させながら、バンドそしてフロアー全体をグルーヴさせてゆくような、そんな強烈なものだった。現状、そうした形でのパフォーマンスは難しくはあるけれど、放たれる濃密なビートとグルーヴそして、強烈なボーカルは通常運転。フロアーも、ストイックな雰囲気ではあるけれども、きちっとバンドのパワーを受け止めながら熱を帯びて行った。スタジアムEDM的な部分も、バンドという肉体を通して、緻密で繊細に作られており、the twentiesは、インディバンド、ロックバンドとして進化してきているんだと、あらためて思った。そしてトリで登場したのはMomonoband。桃野陽介のソロバンド。桃野は、こうした状況下にあって、通常どおり、もしくは積極的に弾き語りなどでライブを行ってきていている様に見える。そういうこともあってか、かなり濃いメンツが続いた中でのトリであったけれど、よい意味で気負うこともなく、いつもの桃野節全開。一筋縄ではゆかない楽曲群も、ポップに響かせるバンドと桃野のボーカル。その力に心地良く乗せられて行く。Momonobandが持つ独自のグルーヴ感。いつも通りではあったけれど、きっちりと曲とそのグルーヴを届けることに集中した様なライブであった。MCで、この日の対バンについて、「同じクラスにいても話しはしなさそうな感じ」といった様なことを冗談ぽく語っていたが、きっと近い音楽を聴いていることはわかっているけれど、アウトプットの仕方の違い、表現の違い、そうしたことを、お互いを尊重するからこそ、敢えて踏み込まない、そんな感じだと思う。根底ではかなり繋がっている、共通している部分もあるとおもった。バンドもお客さんも我々も、手探りの部分が多い中での開催ではあったけれど、どのバンドも、状況をポジティブに受け入れつつ、自分達を変えずにきちっと表現をしていた。だからこそ、それぞれのキャラクターの違いが際立ったのだと思う。そんな彼等のパフォーマンスは、ライブハウスって楽しいな、という当り前のことを、当り前に実感させてくれる刺激的なモノだった。また踊りましょう。(加)